アラフィフでの転職活動。
いよいよ本格的に始動となりました。
さて、その転職活動ですが様々な苦難が待ち受けています。
もちろんこの年齢での転職ですのでこの転職活動自体が難しいことは覚悟していました。しかし、それ以外にも思わぬ苦労が待ち受けていました。
今回はそんな苦労の中から家族との向き合い方についての記憶です。
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妻との約束
職探しにあたって家族にどう対するかっていうのは割と重要な事柄だと思います。
本人もそれどころではなく意外と後回しにしがちですが。
50歳間近で転職に踏み切った私ですが、家族がいるだけに自分勝手に退職を決断するわけにはいきません。
当時の私の気持ちとしては退職に傾いていたものの少なくとも妻に黙って決めるわけにはいかず、何度も相談を重ねました。
幸い妻には私の思いを理解してもらえて「退職-転職」することとなったのですが、これを実行するにあたってひとつだけ約束したことがあります。
唯一妻がこだわったそれは、会社を退職したことを「再就職が決まるまで子供達には内緒にしておく。」ということでした。
子供が小さければ「会社を辞めた」といっても訳も分からないので問題なかったでしょう。
実際、同時に退職した小さい子供がいる元同僚は普通に退職を伝えたそうです。
訳が分からないので友達に「パパ、会社辞めたんだって!」と拡散されて困ったそうですが。
しかし我が家の子供たちはちょうど思春期を迎えており、会社を辞めるということの重大さを何となくわかる年頃になっています。
私自身、父親が会社を辞めたことがあるのですが、当時小学3年生。これからどうなっていくのだろうと不安に駆られた記憶があります。
それを思い返すと確かに今子供たちに不安を与えるのはまずいなと考えました。
そういう訳で、妻との約束を果たすべく、子供達には退職を隠した状態での無職生活が始まりました。
子供に内緒ということは、誰にも打ち明けられないということ
ただし、よくある世間体を気にして隠しておくということではありません。
あくまでも退職したことを内緒にするのは私の子供たちに対してのみですので、それ以外では隠し立てする必要はなし。
そのはずだったのですが。。。
しかし、よくよく考えてみるとこのことを親戚やご近所さんに話してしまうと、そこから子どもに伝わる恐れがあります。
「お父さん大変ねー」などと言われると即アウト。
そのリスクを考えるとうかつにオープンにできません。
子供に話が伝わるあらゆる可能性を消そうとすればするほど退職したことを打ち明ける相手の候補が消えていきます。
こうして慎重に慎重を重ねた挙句、最終的にはこの話ができる相手は妻のみという状況になってしまいました。
子供に内緒の無職生活はどんな感じか実例
結果的に退職したことを子供たちだけではなく、ご近所さんを含めてほぼ全ての人に内緒にしなければならなくなった私。
すると話だけではなく、行動も制限されてきます。
どういう事かと言うとご近所さんに不審に思われないよういつも通り変わらぬ生活を送らないといけないという事になります。
そうなると、会社勤めしているわけですから、平日は自宅にいるというのは不自然です。
(不思議なもので家から出なくても何となく気づかれてしまうようです。ご近所さんのこういった感度は怖いです)
見事に追い込まれました。アラフィフ転職の副作用といっても良いでしょう。
そんな私に残された対応策はひとつしかありません。
通常を装い会社へ行くフリ。つまり偽装出勤(エアーサラリーマンと揶揄されました)です。
簡単に言うと、いつも通り朝家を出て夜に帰ってくるという生活です。
そういう訳で、平日は今まで通りの時間に自宅を出ていくことになりました。さしたる目的もないのに。
また、普段から弁当持ちでしたので、妻が弁当も用意するという小技も忘れません。
そんなエアーサラリーマン生活は結構きついものでした。
出かけると言っても、無職の身。お金がかかるところにはなかなか行けません。
時間つぶしの定番「喫茶店」に行きたいのですがそこには当然お金が発生します。たまに行くのなら良いのですがこれが毎日となると出費がばかになりません。
とにかく何をしていても「節約しなければ」という強迫観念が常に頭を支配しています。
このように行き場に困っているとふと、ドラマなどでありがちな光景
「会社を解雇されたことを家族に言えず、毎日スーツ姿で出かけて公園でボーとするお父さん 」
の姿が自分に重なってきます。
「何があろうとも公園にだけは行くまい。」
我に返った私がそう固く誓ったのは言うまでもありません。
アラフィフ無職の居場所を探す
さて、そのような、ともすればネガティブ感情に脳内支配されて沈みがちの状況の中で私は実際にどうしたのか。。。
もちろん転職活動
これをしないと永遠にこの状況が続きます。生活も出来ません。
図書館(休館日があるので複数)
一時は県内すべての図書館全館制覇などと妙なモチベーションができました。
日帰り温泉
回数券を格安で入手して温泉気分を満喫。しかし湯につかっても転職が頭から離れずゆっくりできた記憶があまりないです。
ショッピングセンター
空調が効いているのでここをウロウロしていました。まさに行き場なしの状態。
当時の私が思いついたのはこれくらいでした。都会なら他にも手があったのかもしれませんが。
そして、転職活動は長期間にわたりましたので、これらの施設をヘビーローテーションで訪れる生活を送ることになります。
図書館は最大の味方
この中でも特に図書館には大変お世話になりました。
何しろお金が無くても暇つぶしの道具(本)があふれるほどあるんですから無職にとっては天国のような場所です。
かなり頻繁に訪れていましたので職員方にも顔を覚えられてたのではないかと思います。
そんな状態でしたから私が無事に再就職した後、姿を見せなくなったので、
ああ、あの人再就職できたんだな。
と思われていることでしょう。
長々と書いてきましたが、真実を語れないというのはストレスがたまります。
これが失業中、一番つらかった思い出です。
今回はちょっと番外編でした。。。
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