アラフィフリストラ体験まとめ(昔の記憶の呼び起こし)

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会社が業績不振で早期退職を募集する。これは最近では一般的に用いられる手法で今となっては特に珍しくもなくなりました。
実際毎年どこかの企業で募集が行われていることがニュースなどで取り上げられています。

 

しかし、このようなニュースを目にすることはあっても、実際に自分が当事者になってしまったという方は少ないのではないでしょうか。
ネガティブな情報としてニュースなどで接しているものの実際は他人事ですのでそれほど深刻には受け止めていないと思います。
まあ、当たり前です。

 

では、実際に当事者となった場合はどうなのでしょうか。
たまたま、私はその状況に置かれて最終的に退職を決断するところまで経験しました。
そこで今回は当時、早期退職募集の渦中に放り込まれた時どのような状況だったのか振り返ってみたいと思います。
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早期退職募集についての説明会

まずは会社から社員への説明会が開かれます。
「経営に関しての重要な説明会」ということで社員全員に案内されます。
この案内が来た段階でほとんどの社員が内容を察していて、それほど社内に動揺はなかったと記憶しています。

 

その説明会ですが、次のように進められました。
①会社の業績説明。
②業績悪化の要因について
(決して経営に失敗したとは言いません。あくまで外部要因と説明されます)
③今後、業績回復させるための事業運営の計画説明
この様な内容を淡々と説明されます。
そして最後に「社員の皆様へお願い」と称して早期退職の募集が行われます。

 

その時は募集の内容については概要の説明だけです。
 ・対象は全社員
 ・募集人数(全社員の3割ほどの募集でした)
 ・募集にあたっての説明(割増退職金が出る、転職支援サービスを付けるなど)
 ・今後のスケジュール

 

このスケジュールが結構タイトでした。
・この説明会の1週間後から個人面談を開始するということ。
・それまでに早期退職募集の詳細についてもう一度説明会を行う。

 

ここまでで、説明会は終了です。
説明会後の社員の表情は不安というのはもちろんですが何か今一つ釈然としないという感じでした。

 第2回説明会

2回目の説明会は総務部中心で行われます。
内容は早期退職制度の説明と退職に応じた際に付与される転職支援サービスの説明です。

 

早期退職制度の説明は主に割増退職金について年代別の割増率についての説明されます。
ちなみに当時の私は40代後半で一番手厚く退職金がいただける年齢層でした。
ということは一番退職してほしい年齢層でもあるのでしょう。

 

次にもう一つの特典?である転職支援サービスについてです。
簡単にこのサービスについての説明がありました。
私のいた会社の場合は
 ・転職支援会社は2社から選べる。
 ・支援が得られるのは再就職が出来るまでで、期間は無期限
 ・再就職後1回だけ再転職の支援を受けることが出来る。
というものでした。

 

そして、具体的な転職状況について、転職支援会社から直接説明がありました。
そこでは、簡単に支援会社の説明と転職は必ずできる問う事を過去の実績データからの説明されます。
 ・過去実績では転職活動後7ヶ月でほぼ再就職できる。
 ・年収などの待遇面では現状と同じというのは厳しい

 

比較的ポジティブに説明されますので、何となく早期退職に応募しても大丈夫かな?という気持ちになるような説明というかプレゼンでした。

 

また、この日から社内に転職支援会社の相談窓口が設置されるとの案内もされました。
気になることがあれば、就業中でも相談に行って良いとのことです。
とにかく万全のサポート体制をとっているといアピールがすごかったのを覚えています。

 個別面談開始

説明会から一週間後、所属部署の上司からメールが届きました。
面談の日程連絡です。ほかの社員の日程を確認して計算すると大体一人当たり1時間くらい時間をとっているようです。

 

部署によって面談する人数は違いますが、全員面談するだけで3日ほどかかるようです。
上司も大変だなあと思いながら、いざ、面談に臨みました。

 

面談の内容は以前ブログで書いたことがありますので詳細はここでは書きません。
一点だけ書くとすれば、「面談時には既に選別は終わっている」ということです。
残ってもらいたい社員
早期退職してもらいたい社員
残っても退職してもどちらでも良い社員

 

①だと会社に評価されていると感じて少し優越感を感じます。
②は圧倒的な劣等感と会社への不信感しか感じません
③は自分はどうでもよいのかと、存在意義を少し疑ってしまいます。ですが、ほっとする部分もあるという複雑な感覚です。

 

これを1回目の面接ではっきり言われました。
そして、この日を境に職場の雰囲気は悪くなっていきます。社員全員がランク付けされたのですからギクシャクした空気が流れてしまうのはやむを得ないと思います。
つくづく会社は罪なことをするなと感じました。

社員同士の情報収集と牽制

一通り面談が終わると社員同士で探り合いという情報収集が始まります。
夜に飲み会をしたり、職場で立ち話をしたりと色々な場面でこの様なことが行われます。
ここで注意しないといけないのは言っていることが本心ではないという事です。

 

こういった状況では対外的に「自分は何が何でも残ろうと思っている」とはなかなか言い難いものです。
「こんな会社愛想が尽きた。ちょうどいいから退職金をもらって辞めるべきだよな」と共感を得やすいような言動が目立ち始めます。

 

ですが、実際本心そのまま大声で言う人はいないでしょう。いわゆるポーズです。
ただ、このポーズに乗せられて退職に傾いた社員も結構いるようでした。

 

「今回残ったとしても、このまま行き詰る可能性は高い。それなら割増退職金がもらえる今のうちに辞める方が得だ。残った挙句倒産で退職金無しとなると悲惨だよ。」

 

この様なことを言われると動揺する人が出ても不思議はありません。
その人はうっぷんを晴らす程度の気持ちで言っていたのかもしれませんが、周囲に与える影響を考えると私は何も言えず、黙って考えるのみでした。

そして募集開始の当日

最初の面談から約1か月後。いよいよ早期退職の募集が始まりました。
私は覚悟を決めて退職を決意していましたので、朝一番に申請書を提出しました。
結局募集定員には満たなかったようですが、それでも相当な数の社員が会社を去る決断をしました。

 

で、結構声高に退職する勢いだった人に限って早期退職に応募していません。
話を聞くと、「自分は退職する気だったが、上司が涙ながらに引き留めてきて情に負けて残ることにした。」との説明をされました。

 

その話の真偽は今となっては判りませんが、裏切られたという人も中にはいたようです。
やはり、雰囲気で流されてはいけないという具体例かなと思います。
ですが、後戻りはできません。後は粛々と退職日を待つばかりになります。

退職日までの日々

早期退職の応募後実際に退職となるのは翌月の月末付けでした。
ですので、約1ヶ月は会社で過ごすことになります。
過ごし方は人それぞれです。
・通常通り勤務する人(最後まで責任を全うしたい)
・有給休暇を使って退職まで全く会社に来ない人(モチベーションを失った)
・基本的には有給休暇の消化に励みながら必要があれば出勤してくる人
この辺りは割り切りの問題だと思います。

 

また、建前ではまだ退職していませんので転職活動は出来ませんが、実際には会社を休みながら転職活動をしている人も結構いたようです。
実際早々に再就職が決まって「余裕」で最終日を迎えた人がいました。

 

その人はよせば良いのに、再就職の自慢を残った社員にて「早期退職しないともったいない」と煽っていたようです。
その結果、早期退職の募集は終わっているのに人事部門に退職希望者が殺到し、ひと騒動があったというのは余談です。

ついに退職日

ついにこの日がやって来ました。
会社から当日は職場に顔を出さずに直接退職手続きの会場に来るよう指示されました。
まず、取締役からお詫びを兼ねた挨拶がありました。
その後は粛々と手続きが進んでいきます。

 

社員証や社章の返却、作業着の返還(廃棄するので返却しなくてもよさそうなものですが一応決まりだそうで)
退職金関係の書類や、確定拠出年金関係の手続き説明などなどが行われます。

 

最後に離職証を送付するのですが。。。ということで、その説明が次のようにありました。
「一度に退職者がハローワークに行ってしまうと混乱するので、本来は自宅に郵送する離職証を4日後に会社でお渡しします。ハローワークの職員も当日来られるので手続きはその時にお願いしますとの案内がありました。」

 

この時に普通の退職ではなく、早期退職するんだということを改めて実感したように思います。
そしていよいよ最後です、会社に残った同僚と少しあいさつを交わして、会社を後にしました。身軽になったはずなのに、どこか足取りは重たかった最終日でした。

 

これが早期退職募集から退職するまでのざっとした流れです。
もちろんこれ以上にいろんなことがありました。記憶をたどっているとあぁ、あれもあった、これもあったとどんどん当時のことが蘇ってきていくらでも書けそうです。

 

ですが、これ以上だらだら書いても仕方ありませんのでこの位にしておきます。

 

そして、この後新たな居場所を求めて転職活動に入っていくことになります。

その様子はこのブログを始めたときに記録として残していますので、もし興味があれば覗いてみてください。

アラフィフ転職物語1(情報源は最大限に。)

今回の振り返りまとめ

やはり、リストラなんてものは無いに越したことは無いですね。誰も幸せにはならないんですから。

 

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