人員削減って特効薬か麻薬か?

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会社の業績が悪くなると再建策の一番に出てくる人員削減。
大抵が退職金割増などの優遇策を設けた早期退職の募集となります。
まれに削減せずに配置転換で吸収する例もあるようですが。。。

人員削減っていうのは業績立て直しの特効薬のように使われています。
確かに固定費である人件費を削減できれば、売上を伸ばさなくても損益分岐点を下げることが出来ますし、「何人削減したらいくらの効果」と計算がし易いので手を付けやすいのでしょう。 


ですが、一時的な業績回復で安心して何も改革を行わない場合は結局同じことの繰り返しになります。
思えば私が早期退職した会社でも業績悪化→人員削減→一時的な改善→業績悪化→人員削減 の繰り返しでした。
一応その都度多くの従業員に痛みを伴う改革ということで色々な再建策(計画)を説明されるのですが、思うように事が運ぶことはめったに無いように思います。

私が勤めていた会社では計画するときに「一番うまく行けば立ち直る事ができる」というような再建策ばかりだったような気がします。
それを聞かされた社員も「そんなにうまくいくかな?」と半信半疑の状態でした。

私が勤めていた30年弱の期間でリストラを何回経験したのか改めて振り返ってみました。

1回目:入社10年目くらい(記憶が曖昧なので”くらい”です) 
 慢性的な赤字体質に歯止めがかからず、人員削減を実施。確か対象は30才以上の社員だったと記憶しています。当時私が担当していた仕事は売上は殆ど無しの新規事業でしたが将来性を見込んでリストラ対象にならず。
 私自身も退職の意志はなくすんなり残留しました。

2回目:事業の再構築
 赤字体質は一向に治らず親会社が事業の再構築を決断しました。
 各事業ごとに個別に独立した会社として再編されました。
 事業によっては同業他社との合弁で設立された会社もありました。
 ですが、やはり社風の違う会社の合弁は難しいようで数年後に合弁解消となりそのまま事業終了という会社もあったようです。
 私が所属していた事業は単独で独立したため、合弁の難しさはありませんでした。
 また、事業としては黒字部門でしたので、人員削減などもあまりなかったように記憶しています。

3回目:リーマン・ショック後
 多くの会社が苦労したリーマン・ショックの後、業績低迷の対策として早期退職の募集となりました。
 リーマン・ショックの前に新規事業が軌道に乗り絶好調の時期があったため従業員をかなり増やしていました。
 その事業が傾いたため多くの余剰人員が発生。結構大規模のリストラでした。
 私は残留の道を選びましたが、同じ職場の人も結構退職したため、一時的に混乱したのを覚えています。

4回目:私が応募した時
 3回目の大規模リストラでも業績改善せずにあまり期間を置かずに再度早期退職の募集が行われました。早期退職の優遇も3回目より劣っていたと思います。
 残留するかどうか、大いに悩みましたが年齢的にも最後と考えこの4回目で退職することになりました。

これだけ、リストラを繰り返して今に至るわけですが、一応その会社は存続しています。
ただ、まだまだ安心できる状況には無いようです。
少し利益が出るようになったようですが、利益が出たということは早期退職などに回す資金が出来たという見方もできます。
体質強化のために早期退職の募集ということがあっても不思議ではない状況です。

こんな感じで、業績悪化した時の特効薬的な扱いで人員削減が行われますがまさに”一時しのぎ”。このしのいでいる間に次の手を打たなければなりません。
この一時しのぎで安心しているとまた業績悪化ということになってしまいます。
そうすると再度人員削減です。

こうなると、特効薬ではなく麻薬になってしまいます。 
そのうち麻薬の影響でボロボロに。。。 

今も大小多くの企業でリストラが検討されていると思いますが、特効薬は1回まで。麻薬にならないよう戦略を立てていただきたいと思います。
そうしないと出て行く人も残る人も不幸になってしまいますので。。。 

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