昨日サラリーマンとしては興味深い裁判の判決があったようです。
判決の内容は
「定年後再雇用の賃金減が違法」というものです。
定年になった従業員を65歳まで雇用延長するということは、法律で義務付けられています。
その際、一般的には1年更新の嘱託での雇用となることが多いと思います。
実際私が勤めた経験のある前の会社も現在の会社もそのような制度としています。
今回はその時の報酬額が問題となったようです。
一般的なイメージでは、嘱託雇用になった段階で給与は下がるイメージです。
ですが、今回の判決では雇用形態がかわっても、やってる仕事も責任も以前と変らない状況であるのなら
「同じ仕事で給与に差があるのは不合理」
と言うことのようです。
同じ仕事であれば例え嘱託であっても給料に差はつけてはいけない。。。
では、実際はどうなっているのでしょうか。
①前に勤めていた会社
定年後希望すれば嘱託雇用となる。ただし給与減。
仕事の内容としては、役職なしで裏方的な仕事になる。
責任も少なくなっている。
②今の会社
定年後嘱託契約している社員の方は数名います。
役職はそのままの場合もある。(代わりがいないため)
しかし給与は定年前の4割減だそうです。
この判決に照らし合わせると
①前の会社は定年前後で仕事も責任も減って給与減。 ⇒ 合理的
②今の会社は同じ仕事・責任のままで給与減。 ⇒ 不合理
ということで、今の会社で嘱託として勤務している方は正当な報酬をもらっていないということになります。
裁判をしたら勝てそうです。
ですが、ここで給与以外の面を考えてみました。
①前の会社では、雇用延長したとしても仕事にやりがいがなく雇用延長1年ほどで辞める方がほとんどでした。
②今の会社では給料が下がったことは、ぼやきつつも65歳になるまでそのまま勤め続けている人が結構います。
やはり、仕事を続けていく時には「やりがい」というものが大きく効いているようです。
(お金がやりがいと言う方もいらっしゃるでしょうが。。。)
ここで、今回の判決を機に嘱託になっても、給料が変わらないようになるとしたら。。。
働く側は大歓迎でしょう。
やりがいと報酬の両方得られます。
確かにこれがあるべき姿だと思います。
ですが、体力があまりない中小企業の経営者としたらどうなのか。
1)経験のある嘱託社員に残ってもらいたいのはもちろんですので、給料を上げる。
2)資金繰りが厳しくなるので新しく社員を雇えない。
3)いつまでも後継者を育てられず、嘱託社員が契約更新しないとなった時に代わりがいない。
4)その時会社の経営は。。。
ということも考えられます。
少し考えただけですが、この問題は奥が深そうです。
経営者側も労働者側もよく考えてお互い納得できる制度を考えないといけない時かもしれません。
私は労働者側の立場ではありますが、色々と考えさせられる判決でした。
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