残業=頑張っているという価値観は簡単に覆らないようです。

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会社に遅くまで残っているのが偉い。
この価値観は日本では根強いものがあるといいます。
しかしその考え方を目の前にドンと置かれたのは初めての経験。
今回はそんな不条理についての実体験です。

 

私が今勤めている会社は製造業です。
製造業ですので当然ながら工場があります。私もその工場に勤務しています。
工場にはいくつかの製造設備が設置されていて、我々の給料の源である製品を製造しています。

 

それら「給料の源」を製造するための設備にはそれぞれオペレーターとして従業員が配置されています。
設備を使って生産するのですから一定の品質で製造できるのかと思いきや、意外と従業員の技量が品質を左右してしまったりします。

 

その設備の中でも特に癖があり扱いにくい製造ラインがあります。この設備は重要な工程に使用しているのですが、本当にこれまで扱いに苦労してきました。
試行錯誤の末、ようやくそのラインを操作できる社員が現在2名います。その2名が日替わり交代で機械の操作を行っています。

 

この2名、性格の違いが出るのでしょうか、設備の扱い方にそれぞれ違いがあって、その違いが品質という結果にもろに現れてしまいます。
ただ今までは大体のイメージで「作業者の差があるな」程度の受け取り方でした。
しかし私が所属しているのは品質を預かる部署です。
改善が命でもあります。

 

私の業務としても改善を進めていきたいところですが、イメージだけではなかなか改善する方向に向かいません。そこでこの差を可視化すべくデータをまとめることにしました。
すると、驚くほど差があることが判りました。イメージの裏付けです。

 

不良率・・・A社員:約0.4%
      B社員:約1.0%

 

このようにB社員のほうが2.5倍も不良品を作ってしまっています。
これは全て廃棄処分になりますので丸ごと会社の損失です。
さらにA社員は不良が少ないので製造ラインが順調に稼働します。それと比べるとB社員の場合はちょこちょこラインが止まります。
そのため1日の出来高にも差が出てきます。

 

1日(就業時間内)の出来高・・・A社員:約15,000個
B社員:約12,000個

 

このように差は出てくるのですが、会社としては1日に必要な製品の数は変わりません。
「Bさんは12,000個で良いよ」というわけにはいかず、15,000個作ってもらわねばなりません。
するとどうなるのか?当たり前ですが、次のようになります。

 

A社員:ほとんど定時で加工数が予定に達するので残業しなくてもOK。
B社員:定時内では間に合わないため残業・休日出勤で補う。

 

この結果を見ると会社への貢献度は明らかです。
改めて整理すると次のようになります。

 

A社員:不良が少ないのでロス費用が少なく済む。
    残業・休出が少ないので会社として固定費(残業・休出手当)がかからない
B社員:不良が多いので廃棄する材料分のロスが大きい
    残業や休日出勤が多いので固定費がかかる。

 

会社の経営面で考えると明らかにA社員のほうが貢献度は高いという結果になります。
これは数字上はっきりとしていますので、社員の評価としては客観的にA社員が「上」。
...となりそうなのですが。

 

この作業者の上司であるC課長はこの結果を見て当然、Aさんの人事評価を良くします。
昇給やボーナスで報いてあげないと、転職されるかもしれません。
そうなると大打撃です。

 

そういう訳でC課長の人事評価の結果としては、
A社員 > B社員
として社長へ提出しました。

 

しかし、社長の評価は意外とB社員のほうが良いようです。
理由を問うC課長に社長が答えたその理由とは?

 

「B社員のほうがよく働いている。」

 

社長に言わせると
「B社員は休みも取らず、残業・休出も厭わずに仕事をしている。まじめでよい社員じゃないか。」
ということのようです。

 

これ、巷でよく聞く価値観ではあるのですが、自分の勤めている会社でしかも社長の価値観がこれかと思うと少し残念です。

 

この価値観というのはそう簡単に変えることはできないようで、結果としてせっかく入社してくれた優秀な社員が去っていくという結末になります。
(評価されないので給与も上がらなければ、仕事が早い分残業手当も貰えない。。。やってられるかとなります。)

 

そうなることが分かっていてもどうしようもない我々管理職たち。
毎度のことですが、憤りを感じる瞬間です。
以上、作り話みたいですが本当にあった話です。何とかしたいですね。

 

いろいろ
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流れのままに。。。転職と資産運用とそれから

コメント

  1. 転職経験者 より:

    どうしても残業時間で評価されがちですよね。
    でも内部ではOutputを見ているのでちゃんと見ればわかると思うのですけどね。
    速くできるひと、効率が悪く無駄に残業している人、やることないのに残っている人など。
    遅くまで頑張っているのはわかりますが、速くできる人もそれ以上に評価されてあってほしいです。
    あと文中の不良率はAとBで逆ですか?不良率が低いほうが優秀に思えるのですが。
    それともAは不良率高いけど、こなす量も多いということでしょうか?

  2. tobiuo より:

    転職経験者様
    ご指摘通り不良率間違えてましたので修正いたしました。
    AとかBとか名前を記号にしたので混乱してしまいました。
    outputをみればわかるだろうというご意見はもっともです。
    ですが、outputが良いのはみんなの成果という評価がされてしまうようです。
    上に行くほど表面的なところしか見れないのかなあと残念なところです。
    何とか努力が報われるように変えていきたいですね。