
社員に貸与している携帯電話。今はガラケー(正式にはガラホ)です。
特に通話でしか使用しませんので問題なかったのですが、今回キャリアを乗り換えることにしました。
その理由は破格の契約条件でした。
わが社の回線事情
今やほとんどの人は携帯電話。。。というかスマホを持っていると思います。
しかし業務用としてはどうでしょうか。勤めている会社によっては個人のスマホを業務にも使っているケースもちらほらあるとか。
私が勤めている会社は中小ということもありその辺に疎いのか?と思いきや、早くから業務用のケータイを社員に貸与しています。
ただし通話がメインなのでガラケーですが。
台数にして20台。
営業担当の社員だけは通話し放題の契約ですが、その他の社員は通話は20円/分の契約。
ただし、社員間の通話は全て無料という契約です。
ですので、社内にいるときは固定電話での通話が必須で貸与ケータイは内線電話のように社員間で使っているのが現状でした。
これで月に計4万円ほどの料金を支払っています。
ちなみに回線は大手キャリアの「d」。
それほど困っていませんのでこのまま契約を続ける予定でした。
しかし、大きな転機がやってきます。
別キャリアからの乗り換えセールス
そんなある日、社長から呼び出しを受けました。
「知り合いから、携帯の乗り換えについて紹介があってね。特に今困っているわけではないので断るつもりだけど、一応同席して聞いてほしい。」
聞くとwebでの商談だそうです。
社長はIT系が大の苦手。今回もweb会議の設定を私にさせようと同席の依頼をしてきた様です。
という訳でさほど期待もせずweb会議の準備をし社長のお供として商談に臨みました。
1回目の商談。まあまあの条件提示
zoomを繋ぐと紹介された代理店の方が画面に現れました。
挨拶もそこそこにプレゼンが開始されます。
社長からあらかじめ現在の契約と月々の費用については連絡していたようです。
ですので、その契約より有利な条件を出せるのか?が重要なところです。
開口一番、「すべての通話料をかけ放題にさせていただきます!もちろん料金は据え置きです!」
しょっぱなからかましてきました。
さらに畳みかけてきます。
「機種は全てスマホを無料で提供します!」
「現契約の違約金は全て当方で負担します!」
「現契約で分割払いしている機種代金の残債ももちろん負担します!」
怒涛の攻撃にあっけにとられる社長と私。
さらにさらに「社長用の機種はiPhoneにさせていただきます!」
あっけにとられて言葉が出ないのをまだ満足していないととったのか、
「えーい!、全ては無理ですがiPhoneを5台まで無償、残りはAndroidスマホということでいかがですか!」
このままでは一気に押し切られそうな情勢。
そのとき社長から時間稼ぎの指示が出ました。
「えーと。。。なんでそんなに条件が良いのですか?凄すぎませんか?」
とりあえずありきたりの質問をする私。
「ちょうど今、期末なのでキャリア(A)から何とか契約をとってほしいと無茶苦茶プッシュされてるんです。なので、今月中に契約してもらうことが条件です!」
さらにあおってくる代理店。時間稼ぎしなければ。。。
「あのー、今使ってる携帯はガラケーなんですね。業務用としてはこれで十分なんですが、ガラケーにはしてもらえないんですか?」
まさかのスマホ否定で応戦する私。
「これからのIT時代を考えるとこの機会にスマホに変えた方が良いかと思いますよ。」
保守的と見られたようで懐柔にかかってくる代理店。
ここで、起死回生の一撃を出します。
「スマホ、でかいんですよ。最近どんどん大画面になってるでしょう。個人用と2台持ちすると結構邪魔ですよね。」
「な、なるほど。」
一瞬たじろぐ代理店。
「かけ放題でガラケー、というか今はガラホですかね。これに機種変更していただけるのなら契約しても良いですが。。。」
一気にこちらが主導権を握ります。
「ガラホは難しいですが、もう少し小型のスマホをご用意できないか検討します。後日再提案させてください。」
というわけで一気に押し切られるのは食い止められました。
2回目の商談。少しスマホが小さくなる
数日後。。。2回目の商談です。
社長からは契約には後ろ向きでできたら断ってしまいたいとの意向を聞いています。
その理由は「胡散臭い」。
あまりにも破格の条件なので何か裏があるに違いない。というのが社長の印象です。
ならば私も断る方向で商談に臨むことにしました。いざ、勝負です。
1回目の商談でも主に私が契約に後ろ向きな発言をしていましたので先方のターゲットも私に絞られたようです。主に2人でのやり取りになりました。
「部長、スマホが大きいのが懸念事項でしたね。さすがにガラホは無理ですが今ある一番小さいスマホを準備できることになりました!」
「はあ、確かに小さくなりましたね。これも無料でご提供いただけるのですか?」
「もちろんです!あともう少し基本料金も下げるよう交渉しました。現在の契約との比較表を見てください。全台合計で月3千円ほど安くなりますよ。」
もともと月に4万円程度の契約でしたので、通話料がかけ放題で3千円安は悪くないように思います。
前回よりさらに好条件を出してきた先方は勝利を確信している様子です。
しかし、基本的に断ってくれと社長に言われている私はこの程度で引くわけにはいきません。
「これ、iPhoneは大丈夫だと思いますがAndroidスマホはセキュリティソフトが必要ですよね。業務用なのでセキュリティなしって訳にはいかないと思いますけど。」
「そうですね、もし入れるとするとオプションで月額300円ですね。」
「そうなるとiPhone以外のスマホが15台ですから、4,500円かかりますね。高くなるじゃないですか。」
かけ放題になることは棚に上げて単に出費が増えることを攻めていきます。
どうせ断るんだし、ということでさらに畳みかけます。
「全部iPhoneにしてもらえたら4,500円は不要になりますね。iPhoneはSE3ですよね。小さいから邪魔にもなりませんしね。」
「そうですね。さすがに全て無料というのは。。。」
「ですよねー。じゃあ、今回は見送りってことで。」
こちらとしては別に契約できなくても良いので好き放題言えます。
これで商談は打ち切りかな?と思った矢先、
「少しお日にちをください。A社と交渉します。」
内心「無理でしょ」と思いながら2回目の商談は終わりました。
満額回答。相対契約は凄い
数日後。
代理店の担当者から電話がかかってきました。もうかかってこないと思っていたんですが。
「tobiuoさん!A社と交渉の結果ご希望通りにできそうです!」
「と言いますと?」
「20台全てiPhoneにします!」
「え?まさか機種代金は。。。」
確認する私の声にかぶせ気味に担当者の返事が響きます。
「もちろん無償でのご提供です!」
ここで冷静に計算。
機種代金は約6万円(A社の通常価格)
20台ですのでそれだけで120万円です。まあ、これは原価がわからないのでここまでの負担ではないでしょう。
ただ違約金はそのままかかります。これが1台33,000円なのでなんと66万円
機種分割払いの残債を合わせると100万円近くになります。
これも返金されるとのこと。
結局会社からの持ち出しなしでiPhoneに全て機種変更されさらに通話は無料。
念のため契約についての何らかの条件があるのかを聞いてみましたが全くないとのこと。
さすがにこれは乗換でよさそう。
というわけで社長に進言し、契約することにしました。
この契約内容。
通常の法人契約ではないそうです。
相対(あいたい)契約といってそれぞれ個別に結ぶ契約になります。
時として破格の契約があるというのは知っていましたが、たかだか20台くらいの契約では言うほど破格にはならないだろうと思っていました。
しかし、驚くほどの結果が得られました。
私が勤めている会社でも決算前に予算達成が怪しければ多少無理をしてでも押し込むことがあります。
これが携帯の契約にも適用できるとは思いませんでした。
決算時期の相対契約は恐ろしいです。
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