人材不足対策として外国人採用で勝負

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出入国のイメージ写真

私が今勤めている会社は社員50名規模の中小企業。職種は製造業です。
この会社に再就職してから10年近く、今や採用まで担当するようになっています。

ただ、最近は「人手不足」の文字が常に付きまとうようになっていて。。。

今回は外国籍人材の採用をやってみた、という話です。

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とにかく人が足りない中小企業

中小企業と言えば慢性的な人手不足にあえいでいるイメージがありますが、まさに我が社もその渦中に置かれている真っ最中です。

管理系のいわゆるホワイトカラー、製造系のブルーカラーと称する職種両方とも、です。
特に製造職については入れ替わりが激しいですし、最近ではなかなか新規での採用も厳しい状態が続いています。

曰く「交代勤務は嫌」
曰く「残業休出はしたくない」
曰く「責任のある仕事は苦手」

。。。責任のない仕事って世の中にあるのか?
折角採用してもそんなことを言って退職していきます。

しかし、製造業は作った製品を販売してナンボ。
とにかく作るためには人手が必要です。
そこで、派遣社員さんで何とか凌いではいるのですが、こちらも慢性的に人手不足。

では、将来を見越して高校生の新卒採用に踏み切ろうとしても知名度のない会社に応募してくる高校生の姿はありません。

「これは詰んだな。」
人手が足りない工程の生産応援に入りながら先行きに絶望している矢先、ある売り込みがありました。

日本語学校から人材採用の売り込み

ある日、会社に人材系の売り込み電話がかかってきました。
この仕事をしているとこういった電話はしょっちゅうかかってきます。

大体は派遣会社からです。
「直ぐにでも人材を用意できますよ!」
という勢いで電話してくるものの具体的に話をするとその後”なしのつぶて”といったところがほとんどです。

ですので、最近は電話がかかってきても門前払いにさせてもらっています。
それでも次々にかかってくる電話。

「どんだけ派遣会社ってあるねん。」
そんな連日の電話対応にげっそりしている時にこれまでとは少し変わったところから電話がありました。

「ベトナム人を正社員で採用しませんか?」

よく技能実習生の斡旋会社からベトナム人実習生の売り込み電話が来ることはあります。
ですが、安い労働力目当てという実習生の本来の目的とは異なる売り文句にどうも馴染めず全てお断りしてきました。

搾取はしたくないですから。

そして今回もそうかと思っていたら少し違うようです。

ベトナム人を日本企業が雇用する場合、「技能実習生」「特定技能」という制度を使うことが多いのですが、今回は就労ビザを取得できる人材を採用しないかという提案。
技能実習生や特定技能の場合は日本滞在の期限が設定されているが就労ビザでの滞在の場合は期限なしで日本で働くことが可能。(ただしビザの更新は必要)

ただし条件は
・大卒であること
・採用する職種は単純作業はだめ(技術者もしくは製造設備のオペレーター職でもプログラムなど高度な知識が必要な設備なら対象になる)

要は優秀な人材で企業としても安い労働力の確保ではなくたまたま求人に応募してきた候補者がベトナム在住であった、というイメージです。

しかし、海外に居住している外国人を採用って何をすればよいのかさっぱりわかりません。
それを人材紹介込みでやってくれるとのこと。
しかも紹介料不要で実費のみで構わないというこの話…怪しい。

からくりはこうでした。
この会社、ベトナムで日本語学校を経営しているそうです。
日本語を勉強する目的は日本で就業したいため。

そこで卒業生に日本の会社での就職を斡旋するサービスを行っているそうです。
日本の学校でいうところの就職課みたいなものです。

なので「紹介料は頂きません」ということのようです。
多分、授業料で結構儲けているのでしょう。

という訳で日本での人材確保に苦戦している今、この作戦もありかもしれません。
そこで、ものは試しと面接を行うことにしました。

まずは1名採用決定

日本語学校に求人を出して2週間。早速3名の応募がありました。
当然全員ベトナム在住ですので対面での面接は不可能です。

そこでリモートでの面接を行いました。
当方の基準は単純明快です。
日本語が出来て、機械操作が得意。そして真面目に働くこと。

皆それなりの経歴ですが、やはり日本語能力に差があります。
仕事上コミニュケーションは絶対条件です。
他の能力は全員一定水準は満たしているだろうということで日本語を重視して1名に内定を出しました。

給与などの条件は日本人と全く同条件でのオファーです。
そして本人の答えは。。。ぜひ頑張りたいとのことです。

これで外国人材の採用が決定しました。

就業に向けて何をどうする?

さて、無事に採用が決まった外国在住人材ですが会社としては初めての事になります。
まずは就労ビザの取得。。。なのでしょうが何をどうすれば良いのか皆目分かりません。

紹介者である日本語学校に確認すると、まずは日本で「在留資格認定」の手続きから始める必要があるそうで、その手続きは行政書士さんに頼むのが一般的とのことでした。

ただ、この申請が結構難しいようで申請書の書き方ひとつで認可されるか否かが決まるそうです。
そして日本語学校で専門の行政書士さんを紹介してもらった方が認可される確率が高いだろうと丸投げを決意しました。

申請書を作成するには色々な情報が必要です。
会社の情報はもちろんですが、どのような仕事を任せる予定なのか?そしてその仕事は専門性が要求されるものなのか?

実際にお役所が確認に来るわけではないので分かりやすく説明できるかが勝負になります。
今回の場合は職種としては「製造設備オペレーター」
漠然としています。

機械のスイッチを入れれば後は機械任せで製品が加工できるというような印象を持たれると許可は出ません。
実際には作りこみのためにこまめな調整が欠かせず、またその調整は誰でも出来るような簡単な設備ではないのですが。

マシニングセンターのように一般的に知られている機械でしたら、

「プログラムが必要な設備なので専門性があるね!」

と苦も無く許可が出るそうなのですが、当社の設備は実にマイナーです。
誰でも出来る機械ではない!というところを強調した申請書を作成してもらいました。
これでも7割程度の成功率だそうです。

こうして「出入国在留管理局」という名のお上に承認申請を出して待つこと1か月。
無事承認がおりました。

これで一安心。
次はベトナムの本人にこの許可証を送付し現地の領事館でビザの申請を行えば晴れて日本での就業が許可されます。
ここまでくれば犯罪を犯すなどとんでもないことが無ければOK。

後は航空便を取り、入国を待つばかりです。

入国してからのあれこれは?

残りの手配は基本的に日本人の新入社員を迎える場合と変わりません。
ただ、やはり外国人なので住むところ(アパート)を借りるとしても外国人OKの物件を探す必要がある等多少手間はかかります。

後は実際に生活に慣れるための手助けは必要でしょう。

ただ、これで軌道に乗れば二人目以降の受け入れは順調にいくと思いますのでまずは人材確保のひとつの手段として確立できたことは大きな前進だと思います。

ちなみに今回採用にかかった費用は、
・行政書士さんへの手数料(約10万円)
・日本に渡航するための航空便実費(約5万円)

トータル約15万円でした。

日本で転職エージェントを通じて採用するとしたら100万円以上の報酬を支払わう事になるので随分とリーズナブルで収まりました。
後はどれだけ業務に貢献してくれるか。

こればかりは当たりはずれがあるのですが、わざわざ異国に働きに来る覚悟があるような人材なのでへたな日本人よりしっかりとやってくれると期待しています。

さて、どうなるか?

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