人材不足のテコ入れで元同僚を引っぱってきた話

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ターゲットイメージ写真

中小企業で役員となった私。
基本的には製造部門の責任者として辣腕(?)を振るっているわけですが、会社全体の採用関係についても担当しています。

そして中小企業の宿命か慢性的な人材不足に陥っています。
特に優秀な社員。
それを打開するためにはどうしたものか。。。ある作戦を実行しました。

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中小企業は人材不足

私が現在の会社にお世話になって10年近くが経ちます。
会社の規模は従業員50名程度の中小企業、その会社でまあまあの役職に就くことができています。

前職をリストラされて再就職に苦戦したことを考えれば大健闘と言えるでしょう。
しかも何の因果か今や社員の採用についても権限を持っています。

しかしこの社員の採用が結構大変。
採用してもすぐやめる、役に立たない、残業しない。。。今のところ打率は2割を切っているような状況です。

しかも一度採用すると簡単にはそう簡単には辞めてもらえないという。。。法律は労働者を徹底的に守っているんだということを採用担当して初めて知りました。

工場の生産従事者でもこの低打率ですので、さらに管理系の社員、いわゆるホワイトカラーなんてそう簡単に補充が出来ません。
知名度のない中小企業ですからなおさら。

そして中小企業だから社内にも人材がいないという現実がさらに厳しい状況を生んでいます。

管理職が定年になるけどどうしよう?

そんな中、生産管理を管轄している管理職がもうすぐ定年を迎えることになりました。
とは言え最近は雇用延長が普通になっているので、引き続き働いてもらえるのであれば特に心配はありません。

本人の答えは
「雇用延長はお願いしたいが、時短勤務でお願いしたい。」

これ、雇用延長するほとんどの社員が希望します。
週3日勤務とか一日6時間勤務とか。

こうなると今まで通りの働きは期待できません。
しかしこのままでは生産管理ポストが空白の会社になってしまいます。

タイムリミットは定年になる9月末。
内部昇格できる人材は見当たりません。

求人を出すとしても打率2割以下ではきつい。

どうする?私。

ある作戦を実行に移すことにしました。

スカウトという作戦を考える。そのターゲットは?

その作戦は”自力スカウト”です。
しかも素性が分かっている人物。

早い話が元同僚を引っぱって来れないかということです。

以前勤めていた会社はそれなりの規模のメーカーです。
そこを私と同じタイミングで希望退職した同僚が結構います。

一緒に働いていましたので仕事ぶりも人となりも分かっていますので大外れはないはずです。
しかも転職エージェントを通さないので無料で採用できるという。。。

懸念は本当に来てくれるのか?そしてこっちから誘う訳ですが他人の人生を左右する様なことをしても良いものか?

背に腹は変えられんな。

という訳で心当たりのある人物に連絡することにしました。

ターゲットを絞り込んで連絡

心当たりはあります。
その条件は3つ

元同僚で連絡先を知っている。
出来れば生産管理の仕事が出来そうな人。
転職した後も近隣に留まっている。

こうして絞り込むと心当たりがひとり。だけ。
私の人脈の無さが浮き彫りになり少し凹みました。

しかし、ひとりでもいれば御の字です。
確か転職先が非常に激務でしんどいと言っていた記憶があります。
その不満を持ち続けているのであればもしかしたら転職もありかも。

という訳で連絡してみることにしました。

時々近況報告等で連絡を取っていましたので今回も不審がらずLINE通話に出てくれました。

「どう?相変わらず忙しいの?」

私の問いへ元気そうな声で答えてくれます。

「いや、最近は落ち着いて以前程はしんどくないですよ。」

ぐぬう。。。目論見が外れて宙を見上げること数秒。とにかく打診しなくては。

「今、うちの会社結構忙しくてね。。。うちの会社に来えへんか?」

前段無しの直球を投げてみました。
その後会社の紹介などしつつ様子を伺います。

「うーん、興味はありますねえ。」

お、脈ありか?

聞くと今の会社での仕事に特に不満はないそうです。
しかしいわゆる外様の転職組である彼にはこれ以上の出世の芽が無いのがあからさまに見得てきたようで、将来へのモチベーションが持てないそうです。

ここはもう一押し。
「うちの会社はそんな事無いで!
 実力次第で充分出世できるぞ!」

これについては無責任な話ではなく根拠があります。
とどめの一言。

「何しろ転職組の私が今取締役になってるから。」

「なるほどー」と大きくうなずく元同僚。電話なので見えないですが。
これは大いに脈ありと睨み、もう一押しします。

「今、どのくらい貰ってるの?」

「う-ん、年収で500万円まではいってないですね。」

こ、これは少し厳しいか。ウチの会社の給与水準より少し…いやかなり高い報酬です。
同程度は出さないと土俵にも乗れないし。

えーい、どこどこの舞台から飛び降りた気持ちで言い放ちます。

「収入は何とか同等水準で社長に掛け合うから健闘して欲しい。」

こうしてスカウトの電話を切りました。
額には冷汗が流れています。社長を何とか説得せねば。

無事ミッションクリア。そして次の作戦は?

結論から言うと無事に彼は転職してくれました。
これで秋以降の人材危機を乗り切れそうです。
社内の給与アンバランスと引き換えに。絶対他の社員にばれないようにしないと。(汗)

それにしても中小企業の苦しいところがあらわになった今回。
人がひとりいなくなるだけでへたしたら事業運営に多大な影響を及ぼしてしまうという恐ろしさ。

そういえば私自身も課長待遇でこの会社に転職してきたっけ。
定年退職者と入れ替わりだったわ。

今回は何とか私のほそーい人脈を駆使して手当てできたもののもう次はないしなあ。
将来のことを考えると、もっと若い人材を確保して育てて行かないと厳しいぞ。
でも、なかなか若い子って募集しても知名度のない中小企業には来てくれないし。

という訳で新たな作戦に乗り出すことにしました。
それは。。。外国人材です。(また後日)

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