職場で新型コロナ。想像以上に手ごわかった。

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感染防止イメージ

2021年も9月に入りました。
今年の夏はオリンピックやパラリンピックがありましたのでかなり盛り上がるはずでしたが、結局新型コロナの影響で盛り上がりに欠ける夏を過ごすことになりました。

その盛り上がりをさせなかった原因、新型コロナ。
これまではニュースなどで感染者数の増減を見る程度でどこか他所事よそごとに思っていました。

しかし感染力の高いデルタ株は人流の少ない地方在住でも容赦なく襲ってきます。
ついに他所事よそごとではなくなりコロナに対峙した話です。

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休日にかかってきた電話の相手は?

盆休みも終わり、気怠い感じが抜けないまま仕事をしていてようやく一服といった休日。
朝から私の携帯に電話がかかってきました。

個人携帯には家族から電話がある程度でそれも無料で通話できるLINEばかり。ですが今回は普通に電話です。

「誰だろう?」

通知画面を見るとそこに表示されていた相手は。。。

社長だ!!!

休日、しかも朝からかかってきた電話の相手が社長。
これ、絶対良い話じゃない。

一瞬、電話に出ることをためらってしまった私。気を取り直して出ようとしたものの呼び出し音は切れてしまいました。

「このまま逃げ切るか。」
そう思ったものの、翌日は月曜日。会社があります。

先送りを1日したところで問題が解決するとは思えません。
覚悟を決め社長に電話をかけました。

やはり一大事のお知らせ

社長に折り返しの電話をかけました。
直ぐに電話に出た社長。挨拶もなく用件を伝えられました。

「社員にコロナ感染者が出たぞ!」

。。。これは最も恐れていたセリフです。
どこか他所事と思っていたコロナ渦でしたが、この瞬間「当事者」になってしまいました。

しかし、直ぐに的確な対応を取れたのかというとそんなに簡単でもなく。
どちらかというとパニック、一瞬思考停止状態に陥りました。

とはいえ私は取締役、いわば番頭です。
一大事に動揺する社長を落ち着かせる役目も担っている。。。はず。

「とりあえず、保健所に連絡します。」
そう伝え電話を切りました。

事業運営には影響なさそうでひと安心

そこから混乱しながらも対応を進めていきます。

まずは保健所に連絡。
新型コロナ渦が発生した当初であれば、濃厚接触者の幅もかなり大きく会社の業務に支障をきたすくらいの自宅待機者が出たかもしれません。

しかし、今では同じ場所にいてもマスクをしていれば濃厚接触者とはならないようで今回のケースでは本人以外に自宅待機を命じられる従業員はいませんでした。

保健所からの現地調査もなかったです。
電話でのヒヤリングと感染した従業員の行動範囲の写真を送っただけでこのような判断がされました。

ひとまず事業の運営には大きな影響は出ない事がわかり一旦気持ちは落ち着きました。
しかしこれで万事OKではありません。

他の従業員への説明が待っています。
何しろ今回初めて社内での感染者発生です。
いざ感染者が発生したと分かれば皆動揺することは避けられないでしょう。

うまく説明しなければ。。。どう説明すれば良いか。。。

社内で不安が拡散する

従業員の新型コロナ感染が判明して初めての出勤日。
週初めの月曜日でしたので全体朝礼があります。
その時に状況の説明をしました。

・社内で感染者が出たこと。重症ではなく今のところ自宅療養となっていること。
・保健所と対応を協議し、濃厚接触者はいないと判断していること。なので休業など特別な措置はとらないこと。
これまでも感染対策は取っていたが更に強化すること。

などなど、できるだけ淡々と説明をしました。

皆、冷静に聞いていてくれたと思います。その時は。。。

しかし、事はそう単純でもないようです。
説明を聞いて一旦落ち着いたかと思っていましたが、時間とともに恐怖感が増すこともあるでしょう。
また、帰宅してから家族から心配されたりすることもあるでしょう。

その余波が翌日以降あらわになります。

まず翌日、3名ほど会社を休みました。一人は心配なので個人的にPCR検査を受けたいと言って休暇を取得。
ほかの二人は体調不良で休みです。
この3人、全員感染者と同じ職場で働いていました。
今思えば体調不良の二人も会社に行くのが不安で休んでいたのかもしれません。

ある程度仕方がないことです。
ですが、これが社内の不安を増大させます。

「3人も休んでいるってクラスターが出たんじゃないか?」
そんな噂が従業員の間でまことしやかに流れるようになりました。
不穏な空気が社内を覆っていきます。

不安を抑えるにはどうすれば良いのか。。。
社長と協議し”抗原検査”を行うことにしました。

抗原検査で風評被害に立ち向かう

今回は保健所の追跡調査で社内で感染したわけではないと考えられていました。
そしてこれまでの感染対策もしっかり出来ていましたのでこれ以上感染が広がる可能性は低いと思います。

しかし、目に見えないウイルスへの恐怖心は少し説明したところで簡単には収まりません。
そこで社員全員の検査を行うことにしました。

急遽”抗原検査キット”を入手し社員全員に配布。
そして全員に検査をさせてもし陽性となった場合は会社からPCR検査の手配をすることを約束しました。

この抗原検査キット、最近は容易に手に入ります。
検査の方法も簡単で自分で唾液を取り検査キットに滴下すると数分で結果がわかるというものです。

実は私は元々抗原検査には否定的で、以前から社長がこのキットを購入するか検討していたときも否定的な意見をしていました。
感度も低いですし、何より例え陰性だったとしてもその時点の話でその後感染するかもしれません。

「意味ないですよ」
そんな身も蓋もない言い方を社長にしていました。

そんな私が今回、手のひらを返すことを社長に言わねばなりません。
「社長、こうなったら一回だけ抗原検査をしましょう」

社内で感染者が出た今、現時点で感染しているかどうかが重要です。
そして感染者がいなければ、この動揺を収められますし少しは会社の感染対策を信用してもらえるでしょう。

抗原検査の感度の問題は置いといて。

自説を曲げて実施した抗原検査。
結果は全員陰性。
こうしてようやく社内に安堵の空気が流れ始めました。

ひとの感情を抑えるのは本当に難しい

それにしても未知のものに対する不安感を払拭することは本当に難しい。

感染者発生→不安で数名休む→さらに不安が増す→会社の運営がやばくなる

まさに風評被害。
感情によるものなのでいくら理詰めで説明したところで簡単には納得してもらえません。

そのため今回は抗原検査をする羽目になりました。
社員全員分の検査キット代約20万円なり。

高く付きましたが、数名休むだけで大ダメージを受ける中小企業では必要な出費です。
これ、公的補助の対象にならないかな?

無理ですか。そうですよね。

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