コロナ過での海外出張(台湾)に果敢に挑んだ私。
結構面倒な手続きを乗り越え何とか台湾入国まではできました。
さてこれから過酷な隔離生活を経て台湾での活動に入ります。
ですが、色々制約がありました。
空港からホテルまでの移動は専用のタクシーで
さて、無事に台湾の桃園空港に降り立った私。
ここで、現地の商社の方と待ち合わせをしています。
今回、この商社の方には非常にお世話になりました。
何しろ外国人の渡航が緩和されて直ぐに出張を計画したものですから、役所での手続方法が全く分かりませんでした。それはお役所側でも同様だったようです。
隔離期間を7日に短縮してもらうには現地でのスケジュール表を作成し日本でのビザ申請時に予め提出する必要があります。
でも、現地で受けるPCR検査の結果がいつ出るのかすら最初分かりませんでした。
検査結果が翌日なのか3日後なのか。。。
台北などの大都市ならこういった申請者も沢山いるようでお役所も慣れています。
しかし、今回私が行く台中(結構大都市と思うのですが)はこの様な手続きをしたことがない様子です。
なので何を聞いても分からないという回答でした。
そこをこの商社さんが粘り強く交渉し少しづつ進展させるという気の遠いような作業経て今回の隔離期間短縮を実現させることが出来ました。
最初に道を切り開くのは大変なこと。。。大げさではなく本当にそう思いました。
。。。話は空港に戻ります。
商社さんへの挨拶もそこそこに空港からホテルへの移動を開始します。
今回、海外から入国した私は公共交通機関は使用禁止という制限がかかっています。
さらに宿泊するホテルは防疫ホテルという自主隔離者専用のホテルです。
ちなみに場所は台中。通常なら新幹線を使って移動するところです。
ですが新幹線は当然公共交通機関ですのでNG。
ではどうするか?それは専用のタクシーを使います。
「防疫タクシー」
空港の到着ロビーの一画に防疫タクシー専用のカウンターが設けられていました。
そこで申し込めばこのタクシーに乗ることが出来ます。
気になる料金は長距離の場合、新幹線料金の2倍に設定されています。
私が行く台中の場合は1,080NT$(日本円で3,000円弱)でした。
ちなみにタクシーの場合、クレジットカードは使えず現金での支払いが一般的なようです。
ただ、桃園空港の場合は受付でカード払いも可能でした。。。が、何故か私が持っているカードは読み取りエラーとなって支払いが出来ません。
仕方なく現金で支払いました。
楽天カード(マスター)とヤフーカード(VISA)両方NG・・・何か問題があるのでしょうかね。
支払い方法はともかく、無事防疫タクシーは確保できました。
空港からはホテルまではこのタクシーを使って2時間程度の道のりです。
(タクシーに乗り込む前に全身に消毒液をスプレーされたのはバイキン扱いされているようで地味にキツかったですが。)
こうして、ホテルまでたどり着くことが出来ました。
いよいよここで長い隔離。。。軟禁生活が始まります。
防疫ホテルとはどんなものか
ホテルに着いたのは夕暮れ時の少し周囲が薄暗くなってきた頃です。
本来であればホテルには照明やイルミネーションなどで華やかな装いを見せているのですが。
私がしばらく宿泊するホテルは薄暗くひっそりとその場にそびえていました。
まるで閉店しているかのようです。
恐る恐る入り口のドアの前に立つと自動ドアが開きました。
中に入るとやはりひっそりとしていてフロントにも人影が有りません。
どうしたものかと周りを見渡すとエレベーターホールの掲示板に目が止まりました。
そこには何人かの名前らしきものが書かれた紙が貼ってあります。
私の名前もそこにありました。
名前の書いた紙にカードタイプのルームキーも貼り付けられています。
どうもチェックインせずにそのまま部屋に入れということのようです。
。。。と、少しその展開に戸惑い掲示板の前に立ちすくんでいるとホテルの従業員さんが通りがかりました。
声をかけると特に感染防止というわけではなく、防疫ホテルに指定されているこのホテルは宿泊客も少なくスタッフの数も減らしているためこうした対応になっているとのことです。
では、とチェックインをお願いすると気軽に対応してもらえました。
そしてその場でLINEの登録も促されます。
基本的に宿泊者は部屋から出ることが出来ないのでホテル側とのやり取りはLINEを使ってほしいとのこと。
お菓子やお酒などの注文も受けてもらえるそうです。
洗濯も大丈夫だそう。ただし、一回ごとに洗濯設備を消毒するので洗濯物が1枚であっても10枚以上でも一つの機械すべてを専有するため300NT$(1,000円ほど)と同じ金額だそうです。
私は時間にも余裕があるので日本から洗剤を持参し手洗いにしました。
そんな説明を受け、いよいよホテルの客室に入ります。
ここから最低7日間は出ることは出来ません。
もちろん誰とも会うことも出来ない隔離生活が始まりました。
ホテルの部屋はツインで結構広い部屋でした。
部屋の一角にはペットボトルの水がケースごと置かれています。
ティッシュやトイレットペーパー、ゴミ袋、ペーパータオル、歯磨き類…あらゆるものが大量に置いてあります。
やはり部屋の清掃なども有りませんので必要なものは全て予め運び込まれているようです。
部屋にはTVもあります。NHKは映ります。
その他日本の民法TVを中国語の字幕付きで見られるチャンネルが有りました。
インターネットはホテルのWIFIが使えました。
暇つぶしはTVとPCのインターネット。これで7日間過ごせるでしょうか。
長い軟禁生活のスタートです。
自主隔離期間の過ごし方
ホテルの部屋にいる限りは特に生活に制限は有りません。
いつ寝ようが起きていようが自由に過ごせます。
電話やLINEなどを使って外部と連絡を取ることもOKです。
ただし、一切ホテルの部屋から出ることは出来ません。
台湾の保険当局に携帯電話の番号を登録しており、位置情報が把握されています。
もしホテルの部屋から出てしまうとたちまち補足され、警察が駆けつけるそうです。
実際、私が宿泊しているホテルでも少しなら大丈夫だろうと外出した人がたちまちバレて罰金を支払うことになったそうです。
私は大人しく部屋で過ごすことにしました。
平日は会社から届くメールを処理したり、本を読んだり、PCに予めダウンロードしておいたアマゾンプライムビデオの映画などを見ながら過ごしました。
しかし、そんな生活は3日もすれば飽きてきます。
色々暇つぶしは準備していましたが結局悶々と日々を過ごしていました。
保険当局からは初日に直接電話が有りました。
「英語か中国語どちらで話をするか?」
と聞かれます。
私が得意な日本語は選ぶことが出来ません。
仕方なく英語を選びましたが先方に釘を指すのも忘れません。
電話の向こうでOKと言われるまで「a little!」を連呼しました。
英語での質問は心配するほど難しくは有りません。
「ホテルの部屋番号は?」、「体調に異常はないか?」、「外出はしていないか?」などなど。
「OK」を連発し何とか凌ぐことが出来ました。
最後にもし規制を破ると罰金が。。。というようなことも言っていたようです。
分かってます・・・初犯で10万NT$、悪質だと100万NT$の罰金です。
最大300万円超えの罰金と聞くと足がすくんでホテルから出るなんてことは想像もできません。
そして翌日からは電話ではなくLINEとSMSでの問い合わせに変わります。
毎朝10時頃に届くメッセージに回答が義務付けられます。
LINEにはその日に測った体温と咳や味覚障害などがないかチェックして返信します。
SMSでは体調に異常があれば「2」、問題なければ「1」を返信することで確認がなされるようでした。
(LINEでの問い合わせ画面。「Fill form」をクリックすると体温などの入力画面になる。)
慣れれば両方の手続きに1分もかかりません。
直接電話ではなかったのでこれは楽でした。
そして気になる食事です。
食事は時間になると部屋のドア前に置かれます。
置かれたことはホテルからLINEで連絡が来ますので、それを確認し自分で取り込みます。
そして一人寂しくホテルの部屋で頂くことになります。
ちなみに、ある日の3食はこんな感じでした。
近隣の食堂に手配している弁当のようでした。
毎日飽きないよう一度もメニューが被ったことは有りません。
味の方は。。。注文するお店で当たり外れがあるようです。
ただ、まあ総じて味は悪くなかったです。一人で食べるので味気なかったですが。
台湾当局から支援物資が届く
そうして暇な日々を送り始めて2日が経過した頃、ホテルの部屋のチャイムが鳴らされました。
「食事にしては早いな。」
不思議に思いながらドアを開けるとそこにはナップサック置いてあります。
持ってみると結構ずっしりしています。
ナップサックには「台中市」・「防疫」などと書かれたシールが貼られています。
中にはマスク、体温計、即席麺、スポーツドリンクが入っていました。
どうやら地元自治体から自主隔離者に支援物資が支給されるようです。
「勝手に台湾に来たのに税金を使わせて申し訳ない。。。」
と言いながらありがたく頂きました。
こうしてなんとか隔離期間が一週間を迎える頃、隔離期間短縮のため動き出す時が来ました。
一時的な外出許可を得て病院に向かいます。
目的はPCR検査。
これで陰性であれば自主隔離期間を7日に短縮し外出することが可能になります。
逆に陽性なら。。。どうなるんだろう?
いよいよ正念場です。(続く)
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