最近よくニュースをにぎわす自動車が暴走して歩行者を巻き添えにしてしまう事故。
特に高齢者が絡んでいることが多いようです。
やはり年齢を重ねると判断力などが鈍ってしまいこのようなことが起こるのでしょうが、巻き込まれる方はたまったものではありません。
そんな状況なので私自身も当然気を付けないといけないと気を引き締めたりしているのですが、それ以上に気になるのは高齢の親です。
やはり免許返納してもらうことが最良の方法ですが、なかなか難しい面もあります。
今回は父と免許返納の話です。
高齢者の事故多発に心配
最近“自動車+高齢者”での事故というニュースが多く聞かれます。
ほとんどが車側の問題ではなくブレーキとアクセルの踏み間違えなどの操作ミスが理由のようです。
これらの事故が自分単独のいわゆる「自爆」なら不幸中の幸いといっても良いかもしれませんが他人を巻き込んでしまうと悲惨なことになります。
免許を持っているのだから操作間違いなどめったにないだろうと思っていたのですが特に高齢になるとそのあたりの感覚が鈍ってしまうのかもしれません。
それほど頻繁に事故が起こっているようです。
父親は大丈夫か
事故のニュースを見ていると中にはそろそろ自動車免許を返納しようかと言っていた矢先に事故を起こした人もいるようです。
こんなことを頻繁に目にすると自分の事が心配になるという人は多いでしょう。
しかし、いざ免許返納となると躊躇する方も多いと思います。
ならば、家族など身近な人が後押ししないといけないでしょう。
私の場合は両親のうち父が免許証を保有していて車も持っています。
年齢は80歳を超えていますのでそろそろ免許の返納を考えたいところです。
幸い都市部に住んでいますので車がなくても何とかなります。
80歳を超えたあたりからは本人も自転車中心の生活に切り替えているようで車の運転は遠出するときだけにしているそうです。それはそれで心配ですが。
そこで、話を切り出してみると「本人もそろそろ。。。」と感じているようで比較的スムーズに免許返納してもらえそうな感触でした。
それが今から1年半ほど前のことです。
母の入院で状況が変わる
その状況が一変したのは母の体調不良からでした。
体調不良を訴え病院で診察を受けた母ですが、診断は「悪性リンパ腫」。かなり進行した状態でした。
即入院して治療を開始することになりました。
この母の入院に関してはどうしても父の助けが必要でした。
私は少し遠方に住んでいますので頻繁に行くことは難しく、また弟は近くに住んでいるものの勤めている会社が少しブラックなところがあり病院に行く時間がとりにくい状況でした。
そんなわけで既にリタイヤし、時間的に余裕のある父が対応せざるを得なくなってしまいました。
付き添いなど病院への移動はもちろん、衣類を持ち帰って洗濯し病院に持って行くとなるとどうしても車が必要になります。
入院している病院の立地が少し不便だったこともありこの段階で父の免許返納はひとまず先送りになってしまいました。
今思えば子供の都合で親を危険な目に合わせてしまったと少し後悔しています。
ついに車は不要になる
こうして半年が経過したころ、治療のかいもなく母は他界してしまいました。
病院から母を引き取り、葬儀や様々な手続きに忙殺され、あっという間に日々は過ぎていきました。
こうしてもうすぐ1周忌を迎えようという時期にふと思い出しました。
「そういえば父の免許返納を先送りしていたな」
思い出したのは最近よく目にする高齢者の事故のニュースがきっかけです。
以前は母への対応で車が手放せない状況でした。
ですが、すでに母は他界していますので車の必要性は薄れています。
後は父本人の気持ち次第でしょう。
恐る恐る話を切り出してみると
以前父本人が免許を返納して車も手放そうかと言っていましたので、母の入院という“縛り”がなくなった今手放すことに問題はないはず。
ですが少し気になるのは年齢です。
高齢なので免許返納という話なのですが、人間高齢になるに従い頑固になってしまいます。
特に今は一人ですので車がないと困るなどと考えを変えているかもしれません。
そうなると説得は大変な作業になります。
いずれにしても、まずは話を切り出さないといけません。
久しぶりに実家に戻り話をすることにしました。
「ああ、もう返納してきた。」
私の問いに対してあっけないほど簡単に返事が返ってきました。
最近の高齢者事故のニュースを見て速攻で決断したようです。
父はいたってしっかりしており、行動していました。
免許返納に車で行って、帰りにトラブル。。。なんてこともなく、愛車もすぐに知り合いに譲ったそうでうっかり運転してしまうというリスクもしっかり回避されていて、全く文句なしです。
下手したら説得に苦労するかもと思っていましたが拍子抜けするほどあっさりと結果が出ていました。
父の免許返納を受けて
こうして、家族の中で最も高齢ドライバーだった父の免許返納は滞りなく終了しました。
息子としてはほっとしたのですが、これで安心という訳ではありません。
車という足をなくした父のフォローは私たち子供にかかっていますし、何より父より若いからと言って運転が完ぺきなわけではありません。
父に免許返納させながら自分が事故を起こすようなことがあれば洒落にもなりませんので今以上に集中し安全運転に努めたいと思います。
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