私が前に務めていた会社を希望退職したときは、退職した社員は私を含み100名を超えるという結構な規模のリストラでした。
職場は地方にありましたので一気にこれだけの失業者がでるという事態はその地域にも相当なインパクトだったようで、退職に当たっての失業手続きは普通のやりかたとは少し異なっていました。
通常の手続きとの違いを簡単にまとめてみるとこんな感じです。
①退職したら、翌日以降にハローワークに必要書類を提出し求職手続きを行う。
→退職後、離職票を会社に受け取りに行き(普通は自宅に郵送)、そこにハローワークの臨時窓口が設けられておりワンストップで手続きが終了。
②待機期間後に指定された日の雇用保険説明会に参加し、失業手当の受給資格を決定。
→指定された日に行くと特設会場が設けられていて、同じ会社の早期退職者のみで説明会を受ける。
③指定された初回認定日にハローワークに行き失業認定を受ける。
→これは同じ
私を始めとしてほとんどの同僚たちがこういうことは初めての経験です。
この退職後最初に行うことになる①と②の手続きで戸惑う事が多いと思うのですが、専用窓口がつくられたことと、同時に退職した顔見知りが多くいるということで退職直後の精神的な負担はかなり和らげることが出来ていたんじゃないかと思います。
何事においても仲間がいるということは本当に心強いものです。
こうして同じ会社の同僚のほとんどが同じタイミングで手続きすることになりましたので、結果的にその後のスケジュールも同じになってしまいました。
具体的には月1回ほどある失業手当の認定日などです。
ですので指定された認定日にハローワークに行けば多くの元同僚たちと出会うことが出来てその場でプチ同窓会が開くことも可能。
これも、当時の精神的なよりどころになっていたと思います。
こんな退職直後の私たちリストラ希望退職者の状況ですが、この状況は長くは続きません。
当たり前ですが、失業後ほとんどの人は転職活動を行います。
すると、徐々に転職を果たす元同僚が出てきます。特に若い人は決まるのが早くて最初の1ヶ月でもう何人かは再就職してしまいました。
彼らにとっては転職活動などあっという間の出来事です。
喜ばしいことではありますが、私以外の退職者(元同僚)が再就職できたことを私が知るのが、実はハローワークでの認定日でした。
いつものように失業手当の手続きをしようとハローワークに行くと最初のころと比べて元同僚の人数が減っています。
これを見て「ああ、彼は就職できたんだ。」と気づくわけです。
この事実をハローワークという場で目の当たりにするのは結構きついものがあります。
自分は就職先が決まらず、悶々とした状態でやって来たハローワークで、戦友(と勝手に思っている)が戦地から抜け出しているという事実。
表面上は喜んでいるものの心の中は複雑です。
こうして時間が過ぎていくに従い、だんだんハローワークで出会う元同僚が少なくなってくるのですが、そうなると次第に焦りが出てきます。
自分はいったいいつになったらここから脱出できるのだろうか?と言うように。
最初は仲間が多くいて一人ではなかっただけに、この時期が孤独感をより感じる時期でした。夜中に寝ていてうなされる訳です。
この後、求人に応募しても書類ではねられる、ようやく面接まで行っても結果不採用といった感じでストレスにまみれる生活が数か月続きます。
そして、苦節約半年。アラフィフでの転職活動としてはまあまあの活動期間を経て無事今の会社に再就職を果たすことが出来ました。
その時、ハローワークで出会う元同僚は本当に少なくなっていて、数名ほどしかいませんでした。
その数名は私もいなくなり、より孤独感を深めていたのかもしれません。
その人たちには悪いですが、当時は先に抜けられて良かったという安堵と優越感を感じてしまいました。
この様に少し通常とは変わった形で経験した私の転職活動ですが、最初から単独で行うのとどちらが良かったのでしょうか。
これを確認するためには再度転職活動してみるとはっきりするのですが、あれをもう一度経験するのはさすがに無理かなと。
いずれにしても最終的には転職は孤独な戦いになりがちです。
自分のメンタルがそれに耐えられるのかどうかという事も転職に踏み切るときには大切では無いかと過去を思い返しながら考えています。
とにかく慎重に、ですね。
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