
今年の初めから私の母親が体調を崩して入院しているのですが、どうやら長期にわたる入院になりそうで、残された家族は色々と手続きに追われました。
さらに銀行から年寄に対する投資の現実にも直面しました。
すったもんだはあったものの、これらの対応はようやく落ち着いてきました。
しかし当の本人の状態が思わしくありません。
高齢でもありますので、そろそろ覚悟した方が良いのかもと思い始めたのですが、まさかの事態になっていることが判りました。
こんなことあるの?という話です。
私が今年の正月に帰省した時、既に母親は体調が悪そうな話をしていました。
ただ、本人もほったらかしにしているわけでは無く、病院で検査を受けていてじきに検査結果がでるという話でした。
私としては病院にかかっているという事で少し安心し、その時はあまり無理はしない様に伝えて実家をあとにしました。
ところが一週間もしないうちに連絡があり、急遽入院したという知らせが入りました。
胃腸の調子が悪いようで食事もままならない状態になり、このままではいけないと病院に連れて行ったところそのまま入院になったという事です。
私はその一報を聞いて慌てて病院に向かったのですが、思いのほか本人は元気で意識もしっかりしており会話も普通に出来る状態です。
トイレなどにも自力でいける状態。
食事はまだ受け付けないようでしたが、点滴で栄養補給は出来ています。
ただ、その食事を受け付けない原因の病気に対しての治療が必要です。
しばらくは検査入院になり、その後治療を行うという話でした。
そうして入院してから10日ほどたった頃、実家近くに住んでいて入院中の様子を見てもらっている弟から「転院する」と連絡がありました。
なんでも、今入院している病院では母親の病気に適した治療設備がないとのことです。
ここは昔からお世話になっている市立の総合病院なのですが、聞くとMRIもなく別の病院で検査したとのこと。あまり設備は充実していないようです。
結局実家から距離の離れた私立の病院に転院することになりました。
その話を聞いてから遅ればせながら見舞いに行けたのが転院後の週末のことです。
病室に入って私の目に飛び込んできた母親の姿を見て驚きました。
とんでもなくやせ衰えています。文字通り骨と皮だけという状態。
もともと少しぽっちゃりした体型だったのですが、見る影もありません。
子供の私ですら目をそむけたくなりそうな状態です。
気を取り直して話しかけてみると意識はあるようです。
しかしかなり厳しい状態なのは素人の私でも判りました。歩くことも出来ないほど弱っています。
「あんなに痩せてしまって大丈夫?」という妻に「最低限の栄養は点滴で確保できてるだろうから大丈夫と思う」と答えるのが精一杯でした。
そうして、その後なかなか見舞いに行けないまま2週間が過ぎました。
転院先の病院で本格的に治療が始まったというのが唯一の希望。治療の効果が出ていれば良いのですが。
そして2週間ぶりの病院。母親の姿を見てまたもや驚きです。
一目見て判りました。見違えるように回復しています。
意識もしっかりしていますし、見た目も骨と皮という状況ではなく多少肉が付いてきています。
何より、看護師さんの補助はいるものの歩くことが出来るほど回復していました。
やせ細っていった時も急激な変化でしたが、この回復ぶりも急過ぎです。
良い方向に向かっているのは良いのですが何となく違和感を感じます。
そんな、みるみる回復していく母の姿に私の弟も不審に思ったようで、担当の医師に確認してくれたようです。
なんで急激に衰えたのか?そして急回復したのか。
このジェットコースターのような体調変化の原因とは。。。
それは単純な原因でした。
なんと「点滴が外れていた」
そうです。
今回の母親への点滴は、胸に点滴用のCVポートというものを埋め込み、そこから点滴を行っているそうです。
このCVポートは転院前の病院で埋め込んでもらったのですが、それが血管にうまく繋がっていなかったらしいです。
その様な状況でいくら栄養を点滴しても血管には入りませんし栄養補給にはなりません。
むしろ血管以外に点滴液が漏れているという問題が起こります。
やせ細っている割には“むくみ”が酷いなと思っていたのですが、どうやらその原因も点滴が外れていることの様です。
おかしいと思った転院先の医師がX線で確認してこのことが判り、急いで処置してもらえたため最悪の事態は避けることが出来ました。
あのまま、同じ病院に入院していたとしたら...異常に気づいてくれたのだろうか?
この後無事に点滴によって栄養が体内に送られ回復した訳ですが、それまでは病院にいながら一切の栄誉補給無し、そのまま気付かずにいれば入院しているのにそこで餓死するという信じられない結末を迎えていたかもしれません。
という訳で危機一髪ではありましたが、持ち直すことが出来たのは不幸中の幸いです。
こうしてようやく本格的な治療というスタートラインに立てたのですが、無駄に母を苦しめてしまう事になり本当に残念です。
一番近い総合病院という事で信頼していたのですが、これほど病院によって違いがあるという事に本当に驚きました。
治療の設備もなければ、出来る治療も不完全。もう何を信じたら良いのやら。。。
この経験から学んだことは医師というだけで無条件に信用してはいけないということと、セカンドオピニオンは思っている以上に大事だなという事です。
先生に失礼になるのでは?と遠慮なんかしてる場合ではないなあと痛切に感じました。
ところでこの顛末。
医療ミスなのか?それとも...未だはっきりしていません。
はっきりさせた方が良いのでしょうか?悩み中です。
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