お盆休みもあっという間に終わってしまいました。
少し名残惜しいところもありますので、今回は前の会社での盆休みの思い出を書いてみたいと思います。
何度かこのブログでも書きましたが、早期退職をした前の会社で私は製品の製造委託関係全般を担当していました。
委託先の会社は主に中国にあります。
この事業が軌道に乗るまで紆余曲折ありましたが、それなりの規模になり連絡役として現地スタッフも採用出来る程度にはなって来ました。
海外のメーカーに製造を委託するとやはり、日本で製造するより圧倒的にコストは安く済みます。これは海外での生産委託のメリットです。
では問題はないのかというと当然ながら品質確保が困難ということがあります。
製造をお願いしているのが日本で販売する製品ですから品質の基準は相当厳しいものがあります。
とは言え当時でも、中国で私達が望む品質で製品を製造することは可能でした。
しかし安定感は今一歩。とにかく放っておくと品質が下がって来るのが悩みでした。
ですので、頻繁に現地を訪問し立ち合い確認することで品質を維持させていました。
特に新製品の初回生産は最も神経を使います。
そこで初回生産については何があっても立ち会うようにしていました。
ところで新製品の発売ですが、その業界では春と秋の発売が一般的でした。
秋の発売という事になると、初回生産は遅くとも8月にしなければなりません。
8月と言えば盆休みです。当時勤めていた会社では夏季休暇が10日ほど設けられていました。
ところが中国にはその様な休みはありません。平日です。
私としては生産が盆休みにかからない様調整してもらい、委託先からは盆休み前までに生産できなければ盆休み明けまで生産をしないとの回答をもらっていました。
そうして、明後日から盆休みという木曜日。現地のスタッフから電話がありました。
スタッフ 「tobiuoさん、委託先の生産計画が変更になりました」
私 「また、いつも通り遅れるんですか?」
計画より生産が遅れることはいつものことです。こういう局面には慣れていますので発売までの日程調整が大変だなと思いながら次の言葉を待ちました。
スタッフ「いえ、思ったより早く部品が入ってきたので早く生産してしまいたいそうです」
私 「そうなんですか(珍しいことがあるものだ)。いつからですか?」
スタッフ 「明日からです。。。来れますか?(苦笑)」
しばし絶句しました。近いとはいえ海外です。航空券の手配など色々手間がかかります。なにより、私の盆休みが。。。
あれこれ考えましたが決断し、こう返事しました。
「せめて明後日からの生産にするよう依頼してください。」
ということで、急きょ出張の手配をして中国へ飛ぶことになりました。
海外ですので日帰りできるわけもなく、初回生産がスムーズに進むこともまずありません。
結局私の盆休みはほぼ無くなってしまいました。
こういった経験は珍しいことではありません。
しかも盆休みだけではありません。ゴールデンウイークでも結構はまりました。
(さすがに正月だけは勘弁してくれと強く申し入れしましたが。。)
それなのに、先方の長期休暇である秋の国慶節や2月の旧正月はがっつりと休みます。何が有ろうと彼らは休みです。
「不公平」・・・当時私の胸に去来していた思いです。
これも今となっては懐かしい思い出ですが、振り返ると結構大変だったなと改めて思います。
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