中高年の転職活動の苦労というか難しさ。
社会人経験は長くても採用面接での対応は別物というお話です。
退職後初めてインターネットの転職サイトから応募した求人。
あきらめ半分での応募だったのですが意外にも書類審査を通過することができ、面接をしていただけることになりました。
面接までのいきさつはこれ
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初めて経験する1対1の面接
今回応募した会社では転職サイトの書類選考を無事通過すると次はいきなり面接となります。
その面接の方式なのですが個別面談だそうです。
実は私、個別の採用面接というのは経験したことはなく今回が初めてです。
私の場合新卒で入社した会社の採用試験は5人ほどが一度にまとめて面接を受けるという集団面接の形でした。
そしてその1社の採用試験しか受けていませんので自分一人で採用面接を受けた経験はありません。
もちろん社会人になってからは仕事柄、様々な方とお会いし面談した経験は豊富にあります。しかし自分の人生がかかっている採用面接となると緊張度合いが半端ではありません。
それでも、あらかじめ転職支援会社の担当者さんと模擬面接をするなど、多少の準備はしてきましたので、それなりにこなせるだろうと考えていました。
面接の待ち時間で緊張感が高まる
そして、ついに転職後初の採用面接当日を迎えました。
指定された面接の時間は平日の夕方、18:30です。
恐らく仕事をしながら転職活動している人たちに配慮しての時間設定の様です。
(私の場合は無職ですからいつでもOKなのですが。)
このことからもこの会社には私以外にも数名が応募していることが伺えます。
私は自宅から近いこともあり遅れることもなく指定された時間の15分ほど前に到着しました。
会社の事務所で受付をすませ、まずは控室に案内されます。
ここで順番が来るまで待機です。控室には私一人だけです。
直ぐに面接になるかと思っていたのですが開始予定の時間になっても呼ばれる気配はありません。恐らく前の応募者の面接が長引いているのでしょう。
この時間が長ければ長いほど緊張感が増してきます。
そして予定時間より遅れること約20分、ようやくお声がかかりました。
担当の方の案内で面接会場に案内されます。この移動も緊張感が増す時間です。
そうしていよいよ転職活動を通じて初の採用面接がスタートしました。
面接で身体に異変が!
案内された面接会場はかなり広い会議室でした。
会場に入ると、室内の広さに反して面接の相手はひとりだけでした。
1対1、サシでの面接です。
まず、挨拶をして促されるまま席に着きます。
そして面接のセオリー通りまずは自己紹介から始めようとしました。
ところがその時、私の身体に予期せぬ異変が起こってしまいました。
・・・声が出ない!!!・・・
恐らく緊張で変なところに力が入ってしまったのでしょう。
いくら声を絞り出そうと頑張っても、か細いかすれ声しか出ない状態です。
私自身、長い人生でこんな経験は初めてです。
これまで経験してきた仕事では客先へのクレーム説明などかなり厳しい場面で発言する経験も多くありました。
ですので、緊張のあまり声が出なくなってしまうとは全くの予想外です。
しかし、このまま声が出るまで待ってもらうわけにもいきません。
全く声が出ないわけではなく、かすれ声程度の声は何とか出せそうです。
そこで、平静を装いながら何とか声を絞り出すように話し始めました。
内心では冷や汗たらたらです。
この様子を見て恐らく面接相手の方には「元気のない人だな」という印象を与えてしまったのではないでしょうか。
実際の面接での質問は?
こうして絞り出すように声を出し、何とか自己紹介を終えることができました。ここまでは私のみが発言している状態です。
次に先方からの質問を受ける段階になりました。
ここで何とか気を取り直したいところです。
その質問、先方が意図していたのか否かは判りませんが私の予想を見事に外してきました。
その内容は単刀直入です。
給料の希望はどの程度をお考えですか?
これに対しては、面接前に相談をした転職支援会社の担当者からは具体的な金額を言わないようにと教わっていました。
これは転職活動の初歩の初歩、面接対策のセオリーだそうです。
ですので、ここは教科書通り答えます。
御社の規定通りでお願いします
と答えました。
しかし、相手は面接のプロ。
そんな対応されるのは先刻承知なのでしょう。すぐにこう切り返してきました。
とはいえ、退職された会社では結構貰っていたでしょう?当社はそれと比べるとかなり見劣りすると思いますよ。
いえ、以前の会社と比較するつもりはありません。御社の規定どおりでお願いします。
でもねぇ。恐らくご自分が思っているよりもっと下がりますよ。先ほど面接した方は前の会社では年収800万円だったそうです。
私、工場長をやっていますがその私でもそんなにもらえるような会社ではないです。でもあなたはそれ位貰っていたのでは無いですか?
(この人工場長だったのか。。。)いえ、そんなには頂いていませんし、大体のところは募集要項でも確認させていただき、そのうえで応募させていただきました。
それでも、大企業出身の方だとなかなか当社みたいな小さな会社には馴染めないかもしれませんよ。
その点は大丈夫ですか?
退職した会社も名前は知られているかもしれませんが、子会社ですので比較的なんでも自分でやらないとダメな環境でやってきました。ですので大丈夫です。
そうですか。
実は今回募集している職種はエンジニアとは書いていますがちょっとあなたの想像しているものとは違うんですよ。ほぼ現場作業に近いものなんです。あなたの経歴を見ていると大変素晴らしくて今回の職種でなかったら是非採用したいのですが、ちょっとギャップが大きいですねぇ。
私自身、色々な職種にチャレンジしたいと思っていましたので採用頂けるのであれば頑張ってお役に立ちたいと考えています。
そうは言ってもねぇ。いやぁ、もったいないですねぇ。。。
ここで時間切れです。
次の面接があるということで、私への採用面接は終了となりました。
その後面接官(工場長)が気を使っていただいたのか、総務の方に話をするように指示したようです。ちょっと意味が分かりませんが。
そのまま、その場所で総務の方2名と面談することになりました。
総務の方との話は10分ほどで切り上げたのですが、先方も突然の求人の応募者と話をしろと言われて戸惑っておられ、お互い気まずい時間を過ごすことになります。
教科書通りに行く採用面接はないという教訓
こうして、私の記念すべき転職活動初の面接は終了となりました。
その結果はどうだったかというと、後日、不採用の通知とともに履歴書が返却されてきました。やはりかという感じです。
まあ、あの流れでは面接時に不採用と宣言されたようなものでしたので、わざわざ不採用の通知が届いたことに逆に驚いたくらいです。まあ、それなりに落ち込みはしましたが。
しかし落ち込むだけではいけません。
転職活動を始めてようやく面接までたどり着いたのですからその経験を次にいかさないといけないでしょう。
そんな今回の経験で学んだのは、
『面接はセオリー通りに行かない』
今思えば当たり前ですが。
よくアドバイスでは「待遇面での質問はNG」だとか「退職の理由に前の会社の悪口を言わない」だとか、面接でのノウハウを色々と指導してもらえます。
しかし、相手もそんなセオリーがあることは当然わかっています。
新卒採用ならまだしも即戦力を期待している中途採用ですので、面接でもセオリー通りに進めるはずがありません。変化球で様子を見てくるのは当然でしょう。
採用側からすれば教科書通りにしか対応できない中途採用者は必要ないのでしょうね。
逆の立場ならわかります。
何事も経験です。今回それが判っただけでも収穫でした。
やはり、学ぶより慣れろですね。
。。。続く
転職物語(7・・・迷路にはまる)
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