早期退職の道のり(最終回・・・退職)

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風船を飛ばす

リストラを敢行する会社に対してついに退職の意志を伝えた私。
あとは希望退職の募集開始日まで粛々とすごしていくだけです。
気持ち的にはすっきりした様でいながら心の奥の方ではこんなことで会社を去らなければならなくなった情けなさを感じながら日々を過ごしていました。

そしていよいよ、希望退職の募集開始日がやってきました。

前の記事はコチラ ⇒ 早期退職の道のり(6・・・決断)

早期退職の道のり(6・・・決断)
長年勤めていた会社が業績不振に落ち入りリストラに踏み切ったとき。 自分はどのような決断を下せばよいのか。 50歳前という自分の年齢的なことを考えれば当然会社に残るというのが第一の選択です。 会社側からは残ってくれと言われたのならなおさらです。 しかし、そう単純なことではなくなってきました。 そんな私が最終的に下した決断の話です。
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希望退職の募集は初日でほぼ終了

私が退職の意志を伝えた3回目の面談から半月ほどが過ぎ、とうとう希望退職の募集開始日となりました。
(従業員の間では“エックスデー”と呼んでいました)

募集の受付はこの一日だけではなく、この後1か月ほど続くのですが、希望退職を受け入れる社員のほとんどは初日に手続きを終わらせたようです。私も含めて。
確かに既に結論は出ているわけですから、ズルズル遅らせても仕方がありません。みんな早くすっきりしたいということでしょう。

会社としても従業員としても大きな節目となるこの日まで、私自身は他の同僚たちに表立っては退職することは伝えていませんでした。
そんな訳でエックスデーまでの1か月間もいつもと変りなく勤務をしていました。
(早期退職を決めた中にはこの日を待たずに有給休暇の完全消化の為に休みに入るという人もいました。)

ただし、仕事の依頼で時間がかかりそう(退職までに間に合わなさそう)な場合は依頼者にやんわりとお断りしていたので何となく察している人はいたと思います。
しかし、公にはこの件に直接触れることもなくエックスデー当日を迎えました。

希望退職の届と有給休暇の届

そのエックスデー当日の私は次のように過ごしました。

1)朝一で上司より希望退職の申請書を受け取り必要事項を記載して提出する。
2)退職日までにできるだけ有給休暇を消化するために休暇届を提出する。(これは書類提出ではなくWEB申請なので他の人にわからない様に手続きできます)

有給休暇については絶対に付与日数全てを消化しないといけないわけではありません。
しかし、休暇日数の残りを確認すると相当残っています。
この休暇の残日数は次の職場に持っていくこともできませんし、会社が買い取ってくれるわけもありません。
退職すれば全てクリアされてしまいます。

せっかくの権利なのに無駄になるのももったいないということでできるだけ権利を行使することにしました。
そこで、私に付与されている有給休暇の残日数を確認すると退職日までの勤務日を全て休みにしても余るぐらいありました。

残しても仕方ないと考えた私は退職日まで全ての出勤日を有給休暇になるように申請しました。
これで、次の日から退職日まで会社に出勤しなくても良いことになります。形式的には、です。

形式的な有給休暇の取得

有給休暇を全て消化すると残りの勤務日は全て休んでしまう。
これは別に悪いことではありませんし、実際に会社からは認められました。

それを受けて退職日まで全く会社には出てこない社員の方も結構いました。ですが、どういう訳か私自身は全て休むつもりにはならなかったです。
まだ責任というよくわからない感覚に囚われていたのかもしれません。あるいは「いずれ来たくても来られなくなるなあ」という感傷に浸っていたのかもしれません。
これが今ならさっさと休んでいたでしょう。

この辺りは、人により考え方は色々です。
そこで、当時の私は全ての出勤日を有給休暇にあてることで好きな時にいつでも休めるという環境に身を置きながら、必要な時にだけ出社すれば良いという状況にしました。
必要があって出勤する日でも朝は比較的ゆっくりして遅めの出勤という感じです。

そんな手続きを行いながら人生の岐路となる1日が終わっていきました。
ただ、帰宅してからもいたって普通。表面上は何も変わらない日常といった感じです。

一夜明けての会社の雰囲気

そして、個人的にはそれほど盛り上がりを見せることも無かったエックスデーの翌日、この日は有給休暇ではあるものの会社の様子が気になり朝から出社しました。

すると驚きです。たった1日で会社の雰囲気がガラッと変わってしまいました。
早期退職に応募した従業員の大多数はもはやこの会社に用はないとばかりに、早速有給休暇を取得しているようです。
そのため普段いる人数の7割ぐらいしか人がいない状況で事務所はとんでもなく閑散としています。

その閑散とした雰囲気に耐えられないのか、会社に残留し本来出社しているはずの社員も製造現場や実験室など事務所以外の場所に逃げるように行ってしまい事務所の閑散さがさらに増してしまっています。

まさに、「これがリストラを行った会社の成れの果てか。」と改めて認識するような状態でした。

退社するまでの私と会社

そんな雰囲気絶悪な会社ではありましたが、まだ退職の日までは私もそこの社員であることには間違いありません。
そんな私の勤務状況はこんな感じでした。

・基本的には午後から出社
・毎日のルーチン作業で、やり方が面倒で直ぐに代わりがいない仕事をこなす
・定時になったらさっさと帰宅

このような勤務をしていたので周りには早期退職することがバレバレです。
バレバレにはずなのですが、意外にもほとんどその話題を振ってくる同僚はいませんでした。いわゆるハレモノってやつになってしまったようです。

逆に私から早期退職について話を始めると安心したように色々と質問攻めにされました。
話をした人たちの反応は残念がってくれる人や今後を心配してくれる人など様々でした。
こうして、一見淡々とした毎日が過ぎていき、とうとう最後の時がやってきました。

いよいよ退職の時

ついに退職日当日がやってきました。
その日はいつもとは違い職場へ出社するのではなく、会社の会議室にもうけられた退職手続きの会場に集合することになっていました。

まずは、会社の取締役からのあいさつを受けます。
一応お詫びの言葉をいただきました。

そのあと、総務の担当者から退職に対する簡単な説明を受けました。
そして、社員証などの返還と退職の手続き書類を提出するなど淡々と進行し解散となりました。

新卒で入社以来30年近く勤めた会社ですが、いざ辞めるとなると思った以上にあっけないものです。
そして、その後職場に最後の挨拶に行く人、そのまま帰宅する人。。。

私自身は前日に関係した部署の方々に挨拶を済ませていたので職場に顔を出すつもりはなく 、そのまま帰宅するつもりでした。
なんかもうおなか一杯という感覚でしたので。
しかし、退社しようと歩いていると何人かの同僚と出くわしました(手続きを終えて出てくるのを待っていてくれた感じです。)

せっかくなので少し話をすることにしました。
暗い雰囲気にはしたくなかったのですが、別れ際に涙を流してくれる同僚(元同僚になってしまいましたが)もいたりして、しんみりしながら帰宅したのを覚えています。

これから先、早期退職し会社を去っていく自分も大変ですが会社に残る人たちも大変になることは間違いありません。
そんなことを考えて改めて気持ちを引き締めた1日でした。

しかし、しんみりとしてばかりもいられません。
落ち着き暇もなく、これからが転職活動が始まります。
この転職活動、そう簡単ことではないことは容易に想像できます。

実際に退職し、アラフィフという状況で転職活動を始めてみると何もかも初めての事なので戸惑いや困難、そして落胆の連続でした。
この悪戦苦闘の日々についてはおいおい書いていきたいと思います。

私の転職記録についてはコチラ ⇒ 転職物語(1・・・情報源は最大限に。)

アラフィフ転職物語1(情報源は最大限に。)
転職活動を始めるにあたって、登録した機関などをまとめています。

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