長年勤めていた会社が業績不振に落ち入りリストラに踏み切ったとき。
自分はどのような決断を下せばよいのか。
50歳前という自分の年齢的なことを考えれば当然会社に残るというのが第一の選択です。
会社側からは残ってくれと言われたのならなおさらです。
しかし、そう単純なことではなくなってきました。
そんな私が最終的に下した決断の話です。
前の記事はコチラ ⇒ 早期退職の道のり(5・・・2回目の面談)
私の転職記録についてはコチラ ⇒ 転職物語(1・・・情報源は最大限に。)
残るか去るか?選ぶときが来た
会社(直属の上司)との2回目の面談が終わりました。
会社側の考えを聞けば聞くほど気持ちは退職の方向に傾いていきます。
私も長年勤めたこの会社への愛着はそこそこあったつもりでした。
入社以来製品開発の仕事をさせていただいたので、街中で自分の携わった製品が販売されているのを見たりすると幸せな気持ちになりますし、それを購入している人を見かけたらそれはもうモチベーションが最大値まで上がっていきます。
しかし、数年前にとうとう製品開発の部署から異動になってしまいます。
異動した部署は品質管理部門。そこでの仕事はそれまでの仕事とは全く違います。
クレーム対応などその部署での業務は精神的に厳しいものが大部分です。
新しい職場でも頑張ろうと思ってはいたのですが、頑張れば頑張るほど精神的に疲弊していきます。
こんな状況でこのままで勤めていては会社より先に自分がつぶれるのではないか。そんな不安が襲ってきます。
そして、会社が希望退職を募集している今なら充分とはいえないまでも退職金の上乗せがあり、しかも会社が準備した転職支援サービスも利用できます。
これなら退職するタイミングとしては悪くはないのではないかと考えました。
そこで2回目の家族会議を行うことにしました。(ほぼ報告会でしたが)
妻に退職の意志を伝える
1回目の面談時と同様に定時で仕事を終え帰宅しました。
子供たちがいる前で話せる内容ではありませんので、子供たちが寝静まってから妻に退職の意思を伝えました。
ある程度覚悟していたのでしょう。
あっけなく「仕方ないね」と承諾の返事。
ただし、ひとつだけ条件が出されました。
『再就職が決まるまで子供達には知らせない』
母親として思春期真っ只中の子供たちに余分な不安を与えたくないとのことでした。
ああ、条件ってそんなことかと思い、子供たちには内緒にすることを約束しました。
しかしこの約束が後々かなり厳しい状況を招くことになることは当時知る由もありませんでした。
その話はまた別の機会にしたいと思います。
これで、心は決まりました。後は次回の面談で意思表示をするだけです。
同じように残るか去るかで揺れている同僚たちは結構いるようで、会社での仕事中に色々探りを入れてくる人もいました。
しかし変な噂が流れても面倒ですのでそんな質問は適当にやり過ごす毎日を過ごしていました。
そしてついに3回目の面談の日がやってきました。
最後の面談(応募の意思表示)
こうして私の決意を会社に伝えるときがやってきました。
これまで同様に面談で指定された会議室に向かいます。
会議室に入り席に着くとすぐに面談相手の上司から問いかけがありました。
上司 「どうでしょうか、お気持ちは決まりましたか?」
私 「いろいろ考えましたが、退職に応募しようと思います。」
≪ しばし、沈黙 ≫
上司 「そうですか。。。正直言って意外です。残っていただけるものと思っていました。」
私 「じっくり考えましたが、どうしてもこの会社に残って頑張るというイメージが出来ませんでした。」
上司 「退職するというのは大変ですよ。考え直していただくことは出来ませんか?
でしたら、改めて来週面談をしましょう。」
私 「お気遣いありがとうございます。しかし、これ以上何度面談しても気持ちは変わらないと思います。申し訳ありません。」
上司 「そうですか。では面談は今回で終了いたします。会社には退職の意思があるということで報告します。募集開始になりましたら、申請の書類をお渡しいたしますのでその時点で気持ちが変わっていないのであれば提出してください。」
ということで、私の面談は終了しました。
最後の面談は私の人生を左右するものである割に10分もかからない短いものでした。
結局3回会社との面談に臨んだわけですが、私自身が退職を強要される対象の従業員でなかった分、この面談自体のストレスはあまり感じることなく乗り切れましたように思います。
この面談が終了した後は、ようやく肩の荷が下りたという感じで気持ちがすっきりしていたのを覚えています。
退職の意志を伝えたあと
こうして私のリストラに対する最大の山場は終わりました。
まだまだ、面談は続いています。中には4回5回と回数を重ねている人もいる様子です。
そんなこともあり相変わらず社内の空気はざわついたままです。
しかし、私自身は決着がつきましたので、もうそんな空気も気になりません。
残るは希望退職の募集開始日。それまでは平静を装いつつ仕事を続けることになります。
「あ、業務の引継ぎも考えないと。。。でもみんな退職してしまうと引き継ぐ相手はいるのかな?」
などとすでに他人事。のんきに構えていました。
。。。次回(最終回)に続きます。。。
早期退職の道のり(最終回・・・退職)
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