私がリストラにより現在の会社に転職してから5年あまり。
何の因果かわかりませんが、新規社員の採用活動を担当することになりました。
採用される側から採用する側へ見事に転身を果たしたわけですが、どちらの立場でも苦労することは変わりないようです。
今回は採用する側の苦労をまとめました。
従業員を増やさなくてはならない訳
さて、転職先で製造部門を取りまとめる役職に昇進した私にまず立ちはだかったのは人手不足です。
私が勤めている会社は製造業なのですが、比較的事業が順調で結構生産能力ぎりぎりで運営されています。
ただでさえ、従業員が不足気味であったところに働き方改革の波が襲ってきて残業時間を減らさねばならなくなりました。
さらに有給休暇の付与義務化も控えていて厳しい状況になってきました。
ならば
「自動化などして効率化を図るべし!」
と行きたいところですが、悲しいかな中小企業にそんな資金力はありません。
そうなると、場当たり的ですが
「増員で対応するしかない」
となります。
固定費が増えるのは厳しいところもありますが当面この他に対策なし、という訳で求人を出すことになりました。
求人を出す方法
こうして、求人を出すことになったのですがどのような方法があるのでしょうか。
最初に思いつくのはハローワークです。
そのほかにも求人広告や自社のホームページで募集するという手もあります。
ただ、できるだけ早く人員を確保したいので効果的な方法で募集をかけたいところです。
網は大きいほうが良いだろうということで各種求人を出すことにしました。
ハローワーク
職を探すとなると最初に思い浮かぶのはこのハローワークです。
求人だけでなく失業保険などの手続きにも利用しますので会社を退職すると必ずといって良いほどお世話になります。
求人の登録は無料。もちろん真っ先に求人を出しました。
民間の転職エージェント
DUDA、マイナビ、リクルート、パソナなどなどインターネットで検索すればたくさん出てきます。
転職活動をしていたころは私も登録していました。
転職しようと求職する人は無料で利用できますし、キャリアアドバイザーの面談などで支援を受けることも可能です。
求人を出す側からも求人登録だけであれば無料ですし、候補者の紹介などもしてもらえます。
候補者はエージェント側で面接など行っていますのである程度フィルタリングされており、採用する側としては比較的安心して採用活動が行えます。
ただし、実際に紹介された人材を採用した場合は成功報酬として結構な額の手数料を支払うことになります。
手数料は大体年収の3割程度になりますのでひとり採用するごとに百万円単位の経費を用意しておく必要があります。
産業雇用安定センター
公的な転職支援機関もあります。
産業雇用安定センター、全国に事務所があります。
こちらはシニア層が多いのですが、担当のコンサルタントが付くなどハローワークより充実しています。
採用する側としても求人の登録はおろか紹介者の採用が決まっても手数料などの発生はありませんので経費面ではありがたい機関です。
ただし、人材は比較的年齢層は高い傾向にありますので思い通りの人材を紹介いただけるのか?不安なところです。
実際に求人活動開始
今回は無料で利用できるハローワークと産業雇用安定センターに加えて手数料はかかるものの人材は豊富にありそうな転職エージェントも2社お願いすることにしました。
人材は製造スタッフと工程管理スタッフ。さらにエンジニアも増強したいということで結構な人数の募集となりました。
そしてここから厳しい採用への道をたどります。
ハローワーク
製造スタッフについては地元の人材ということでハローワークでの応募が主力と考えていました。
そのハローワークへの求人ですが最初は「契約社員」での募集にしています。
しかし登録後全く応募がありません。
理由は簡単で、最近はハローワークの求人でもパソコンでの検索が普通だそうです。
そして検索するときに検索のキーワードに「正社員」を入れることが普通です。
すると契約社員の求人は検索から外れてしまい目に触れることもありません。たとえ「正社員に登用します」と書いてあったとしても。
そこで、思い切って「正社員」求人に切り替えることにしました。
すると切り替えてすぐに複数の応募がありました。しかも募集人員を上回る勢いで。
ここで高卒20代の無職若者って結構いるんだな、と妙に感心したのを覚えています。
こうして無事に製造スタッフは確保することができました。
ハローワーク、結構助けになりました。
転職エージェント
今回期待をもって求人を出した転職エージェント。
成功報酬として手数料がかかりますのでその分良い人材を紹介してもらえるものと安心していました。
売り文句でも、あらかじめエージェント側で面接などを行うので応募者の絞り込みができるとうたわれています。
しかし、これがなかなか厳しいものでした。
・紹介された人材の書類選考で合格として面接を設定するも辞退される
何社か応募しているため複数から面接の打診があると逆に応募者の絞り込みに合うことになります。
そうなると「知名度、会社の規模、立地」あらゆる面で不利な会社は振り落とされてしまいます。その会社が私のところになります。
・内定を出しても辞退される
何とか面接まで進んだ候補者ですが、こちらが採用といっても即入社とはなりません。
採用にあたって内定書を出すわけですが、「条件が合わない」、「少しイメージと違った」、「通勤に車が必要になるがそんなお金がない」などなどいろいろな理由で結局辞退されることが結構ありました。
やはり、地方にある中小企業は第一志望にはならないんだなあと再認識させられました。
・そもそも面接に来ない
意外ですが、こんなことも結構あります。
書類選考を終え、面接を設定するわけですが当日約束した時間になっても当事者が現れません。
慌ててエージェントに連絡するとエージェント側に直前になって
「今日行けなくなりました。」
とメールが入ってきたそうです。
その後電話連絡を試みるも全くつながらないとのこと。
急な連絡を電話でなくメールだけで済ませるのはどうなの?と思ったのですが、結局そのままエージェントにも連絡がなかったそうです。
「本当に面接して良い人材を紹介してくれたのか?」
憤りを感じる出来事です。
結局中小企業に合う求職先は?
こうして人材の確保に現在進行形で苦労しています。
求人を出した先ではあまり期待できないと勝手に思っていたハローワークへの求人は比較的順調に進めることができました。これは意外でした。
逆にしっかり人材紹介してくれるだろうと期待していた転職エージェントは現時点で散々な状況です。
成功報酬制度を設けているのならもう少し頑張ってもらいたいところです。
という訳で難航している人材補強。
とはいえあきらめるわけにもいかないので引き続き頑張っていきたいと思います。
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