私が勤めていた会社をリストラによって早期退職した時、私同様に100名以上の従業員がその会社を去りました。
あれから5年以上が経過しているのですが、そのうちの何人かとは今も連絡を取り合っています。
中には転職した時に地元では再就職できずに単身赴任を受け入れざるを得ない人たちもいました。
私同様50歳代で家族を残して単身赴任というのは結構きついものがありますがそれでもこの年齢で再就職できたというのは良かったのかもしれません。それが片道切符であっても、です。
そんな、50代にして単身赴任中の元同僚が久しぶりに地元に帰ってきました。
せっかくの機会なので食事でもしながら近況報告となったのですが、今回は確定拠出年金(iDeCo)の話が中心になりました。
その時の会話の内容を今回まとめてみました。
会社を退職した時の確定拠出年金
さて、勤めていた会社を退職した際、その会社に確定拠出年金制度があった場合その年金はどのようになるのでしょうか。
企業型確定拠出年金に強制的に加入
私たちがかつて勤務していた会社は年金制度に確定拠出年金制度を採用していました。
会社側が掛け金を拠出して従業員が個人で運用を行うという企業型確定拠出年金です。
希望者のみがその制度を使えるという訳ではなく、社員全員がその対象者になっていました。
その制度が導入された当時、全社員同時スタートでしたので見習うべきお手本もなく、みんな訳も分からずに運用を開始したというのが導入当初の実態でした。
恐らく今でもよく分かっていない人たちは結構いると思います。
私も退職せずにそのまま会社にとどまっていればそんな人たち同様に確定拠出年金制度というものに全く興味も持てず、判らないままだったかもしれません。
退職すると資格を喪失してしまう。
私もそのまま、定年までその会社で勤めあげられれば、そんな無知な状態でも特に面倒なことはなかったと思います。
この制度に詳しく上手に運用できる人との差は訳も分からず運用している人より多少年金額が多くなるかも?という程度だったでしょう。
しかし、途中で退職してしまうと突然この「確定拠出年金」という訳の分からない制度と嫌でも向き合わなくてはならなくなります。
それは確定拠出年金の移換という名の難局です。
企業型確定拠出年金で運用していた私たちですがその会社を退職してしまうと、もうその会社は退職した元社員の分まで運用はしてくれません。
企業型確定拠出年金の資格喪失というこれまた初めて聞くワードとともに「あとはよろしくね」と年金も放り出されてしまいます。
退職後の確定拠出年金の手続き
この宙に浮いた確定拠出年金をどうすればよいのか?
一応退職時に会社からは説明を受けました。
再就職する場合
・就職先の会社でこれまで同様の企業型確定拠出年金制度がある場合はその会社で手続きを行う。
・企業型確定拠出年金制度が無い場合は個人型(iDeCo)に移換手続きを行う。
再就職しない場合(自営業になる、リタイアするなど)
・個人型確定拠出年金に移換する。
この移換という手続きが大事です。
確定拠出年金は一度運用し始めると60歳まで解約はできません。(一部例外あり)
退職してしまった後、元の会社に頼るわけにもいきませんし再就職先にも制度が無い場合は自力で移換していかないと思わぬ損失を出してしまいます。
放っておいたらどうなるのか
「そういわれても確定拠出年金なんて会社が勝手に導入したのでよくわからん!」
逆切れ気味に何もしない人が意外に多いようです。
では何もしないまま移換期限の6か月が過ぎた場合はどうなるのでしょうか?
今まで運用されてきた資金が国民年金基金連合会に自動的に移換されてしまいます。
そうなると運用はされずに管理手数料だけ引かれていきますのでせっかくの年金がどんどん目減りしていきます。
その他再度企業型か個人型の確定拠出年金に戻す際にも手数料がかかりますのでデメリットばかりです。
「そんなはした金はいらん!」て言われるのなら別に良いですが。
元同僚はどうしていたのか
話を元同僚に戻します。
彼も当然退職した際に確定拠出年金の移換問題にぶち当たりました。
一応放っておくことはせずに個人型(iDeCo)への移換は済ませています。
ただし、その後は毎月の掛け金の積立てはせずに移換した時にあった資産分を運用するのみにしていたそうです。しかも運用商品は元本保証型の定期預金です。
そうして5年ほど。定期預金の金利では運用手数料負けしてしまっていたことにようやく最近気が付いたそうで、どうしたら良いのか?と私に相談してきました。
私の運用を例として話す
私程度の経験でアドバイスするのもおこがましいのでどの様に答えるか悩んだのですが、私の行っている運用を一例として参考にしてもらえれば、ということで簡単に説明することにしました。
・毎月掛け金は拠出している。(限度額MAX)
→所得控除できるので有利。
・運用はインデックスタイプの投資信託から選んでいて、国内株式と外国株式半々の比率にしている。投資信託を選ぶときには手数料は少し気にしている。
話すことは単純、この2点だけです。
投資信託の選択については私の方法が最良ではないと念押しはしたのですが、ファンドの名称を教えてほしいとのことで、参考として教えておきました。まあ、フルコピーはしないと思いますが。
この年齢では空白の5年がもったいない。
こうして彼の確定拠出年金は再始動することになりました。
しかし、彼も私と同様50歳代です。運用期間を60歳までと考えると今空白の5年間はもったいなかったように思います。(70歳まで引き出さずに運用は可能ですが掛け金の積み立てはできません。)
その5年の差は私と彼の現在の運用額の差で見事に判ってしまいます。
やはり、こういった投資は時間が味方になってくれるのかと彼と比べることで私も再確認できました。
面倒に感じる確定拠出年金の移換と運用ですが、少し調べればそれほど難しいことではないので退職後のiDeCoの存在は気に留めておいてほしいと思います。
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