自分が勤めている会社が業績不振になり、リストラ策として人員整理に踏み切る。
今や他人ごとではなくいつ我が身に降りかかってくるかもしれないご時世です。
私自身も「まさか」と思っていましたが数年前にこういう局面に直面することになりました。
人員削減としては希望退職を募集するという形になるのですが、勤続30年近くその会社に勤めていた私がその際どういう思いだったのかというと、意外と冷めていました。
というのは、その数年前に人事異動で部署が変わっていた私は技術職という入社以来の職種から離れたという事でモチベーションをかなり失っている状況でした。
もはや仕事にやりがいを感じることもなくただ“給料をもらう”という現実に割り切って毎日を過ごしていたのを覚えています。
そんな状況で迎えた希望退職の募集という分かれ道。退職金が割増しでもらえるのならいっそ環境を変えるのも手かな?と思っていた私はある作戦をたてていました。
どうせなら勝負に出てやろう。と。
リストラでの人員削減と言っても社員の中から不要者リストを作成し、強制的に解雇するというような荒っぽいものではありません。
(裏では社員ごとの「格付けリスト」というものが存在していたようですが。)
強制的な解雇ではなくあくまで希望を募るという事ですから、社員と会社側で面談という交渉の場が設けられることになります。
私的には退職の方向にやや傾いていたのですが、そこで一計を案じました。
退職する覚悟を人質に仕事にやりがいを感じていた技術職への復帰を画策したという訳です。
そこで、面接時に交渉を行いました。
早期退職についてどのような考えかを聞いてくる上司に対して「今の職場であれば募集に応じようかと思っています。」と伝えました。
この部署に異動してからモチベーションが下がっているという事も言い添えます。
この部署に異動してからモチベーションが下がっているという事も言い添えます。
すると、上司からは確認するように改めて「技術職に戻れるのなら残留という事ですか」と確認されました。
これ、異動が無ければ辞めますという宣言に近いのではったりでは使えません。これで変わらなければ退職すると覚悟を決めないと出来ない交渉でした。
その分、本気度は伝わったと思います。
そして、その結果はどうなったかというと、ぱっとしない結果です。
その後2度ほど面談を重ねたのですが、異動という話は持ち出されることはありませんでした。
そのまま面談は小康状態に入っていくのですが、そのうちに希望退職の募集期限が迫って来ます。
前言撤回でその部署のままとどまるという選択肢もあったのですが「やはり私は技術職としてはお払い箱か」という自己否定感満載になってしまった私は希望退職に応募することにしました。
こうして退職へ向かい始めた私ですが、ここで少し波乱の展開を迎えます。
それは希望退職の募集受付開始と同時に退職届を出した数日後のことです。
その日、上司から呼び出された私は「今更仕事の話をされてもねぇ。」などと考えながら指定された会議室に向かいました。
既に早期退職に応じた同僚の多くは有給休暇の消化に入っており、社内は閑散と、そして殺伐とした雰囲気になってきています。
せっかく上司と話す機会ができたので私もこれから退職日まで有給で休む許可を得ようかな?などと考えながら会議室の席につきました。
ところが上司からの要件は予想外の内容です。
席に付くやいなや退職を撤回しないかと持ち出してきました。
その上司によると退職届は受け取ったものの、まだ上司預かりなので撤回は可能とのこと。
しかも、異動についても異動先の部署から色よい返事がもらえたとの事です。
まさに退職をたてに取った逆転劇です。予想以上の満額回答となりました。
で、本来であればその申し出を受けてそのまま会社に残留、めでたく希望の職種に返り咲きモチベーションも一気にアップ、となりそうなものですが私には少し引っかかるものがありました。
退職届を出してからの逆転劇というのが気にかかります。
この時期、私が退職届を提出しているくらいですから希望退職に応じようと考えている同僚たちも同じように退職届を出しているはずです。
そうなると、私の異動がOKとなったのはその部署で「希望退職者が出て空きが出来たから」と言いう事ではないのかと。。。
ということは、面談では答えがもらえずに誰が退職するのかが分かった時点での撤回の打診ではないかと邪推してしまいました。
そうだとしたらリストラをたてに自分の処遇改善を要求したものの、その希望が叶う条件がリストラのお陰ということになります。(勝手な思い込みかもしれませんが)
結果的にではあるものの、私が無理を言ったことが別の人の不幸につながっているような気がしてしまいます。
しかも退職の届けを出してからの引き留めというのもルール違反ではないか?とどんどん思考はマイナス方向に振れていきます。
そのマイナス思考を取り除くことがどうしてもできず、結局そのまま退職することになってしまいました。
こうして私の場合は結果的に退職となってしまったのですが、退職を覚悟したときに捨て身の要求というのは意外と効果があるなあと感じたことを覚えています。
もちろん、その時にそれぞれが置かれた立場などで変わると思いますが、最後にせめて会社に対してわがままを言ってみる。
そういうのも必要ではないかと久しぶりに「あの時」を思い出して感じてしまいました。
...と、ここまで書いてきたのですが、これ参考になるのかな?
久しぶりにリストラ当時の封印していた記憶がよみがえりましたので、投稿してみました。
コメント
退職時はいろいろありますね。
私も似たようなことはありました、引き止めです。
今後絶対出世できて管理職になれる、とか。
しかし、退職を伝えた時点で仮に残ったとしても会社側には弱みを握られますよね。
「あいつは一度退職しようとした」と。
その時点できっと出世は難しくなるのかなと思ってました。
つまり、少しでも辞める意思を伝えた時点で残り辛くなりますよね。
定年間際とかならいいですが、5年、10年以上残るとなるときっとマイナスになる気がします。
残留してどうなっていたかはわかりませんが、自分の決めたことなので
辞めてよかったと思っています。
転職経験者様
そうですね。
こういった、交渉後の判断は難しいです。
希望がかなっても数か月で反故にされる可能性も否定できませんので。
ただ、自分の身の振り方について選択肢を増やすことができたのでこういうやり方もありかなと思っています。
その時に残っていたらどうなっていたのか?
興味はありますが今となっては判らないです。