シャープが家電注力との話。。。逆張りって大丈夫なのか

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今回取り上げる「逆張り」。といっても投資の話ではありません。
先日シャープが家電事業に再度力を入れて取り組んでいくというニュースがありました。
そのニュースの見出しに書かれていたのが「逆張り」という言葉でした。

この「逆張り」。。。投資用語の様で相場の動きとは逆方向の投資行動をとるという意味です。
今回は国内の大手家電メーカーが家電事業を縮小していく中であえて、逆を行くシャープの戦略に対して「逆張り」という表現がされています。
順張りと比べると勝負に出る感が強いこの逆張りですが、果たして勝算はあるのか興味深いところです。

で、この逆張りですが私も過去に何度か目にしたことがあります。

それを振り返りたいと思います。

ひとつは今は無き三洋電機の話です。
新聞などのニュースで見た範囲でしか私も判りませんが、概略は次の様だっだと記憶しています。

当時液晶などの平面テレビが普及し始め、どのメーカーもこぞって新製品の投入をしていた時のこと。
液晶で出遅れた三洋電機はこのままではテレビ事業で採算が取れないという事で大胆な戦略に出ます。

ブラウン管への注力です。
当時の新聞では、まだまだコスト競争力のある、ブラウン管は当分需要が見込める。液晶では収益が見込めないのでこの逆張り戦略で戦っていくということで取り上げられていました。

果たしてこの逆張り戦略は成功したのか。。。今のテレビの状況を見ればわかると思いますが決して成功したとは言えないでしょう。これが全ての原因ではないでしょうが今や三洋電機は無くなってしまいました。

そしてもう一つは私が前に勤めていた会社の話です。
こちらはリアルに覚えています。

当時私が勤めていた会社では収益のほとんどを依存していた主力製品がありました。
しかし、電機メーカーというのは製品の移り変わりが激しい業界です。その製品も新しい技術を持った製品に徐々に切り替わりつつありました。

もちろん私たちの会社でもその新技術の開発に取り組んでいましたが、うまくいかず手詰まりの状態です。
そんな中会社が打ち出した方針が「逆張り」でした。

それは技術的に陳腐化した現行の製品に注力するというものです。
当時経営陣は「逆張り」とは言っていませんでした。
残存者利益を確保するというようなことを言っていたと記憶しています。

要はどんどん撤退していくメーカーがあるので、全体の需要は減ったとしても売り上げは十分維持できる。技術的にも難しくないのでコスト勝負では十分勝ち目がある。
これで利益を確保しようという目論見です。
その為新技術の開発は中止。現行品種の焼き直しのみで市場で戦っていくという無謀な決断でした。

その結果は。。。新技術の普及が加速し(コストダウンが進んで)想定以上に切り替わりが進んでしまい、我々の出る幕は無くなってしまいました。
そのうえ開発は中止していますので新製品の投入も出来ず。もはや死に体です。

そして、この結末はどうなったかというと。。。リストラです。
結局この事業から撤退することになりました。
撤退という事は従業員を減らさないといけません。
早期退職の募集となり、私を含む多くの従業員がその会社を去ることになってしまいました。

この様に、逆張りというのは相当な賭けの要素が潜んでいると思います。
下手をうつと大きな損失が避けられないというとんでもないものです。
少なくともリスクを想定して最悪の事態も考えておかないと打ってはいけない手だと今でも思います。

で、改めて今回のシャープの事例ですが、どうでしょうか。
今回は家電事業に逆張りとなっています。
確かに国内の家電メーカーは利幅の薄い家電事業を縮小する傾向ですが、家電自体の市場はしっかり残っています。
私の会社やブラウン管のようにその内無くなることが判っている事業ではありません。

その意味では、戦いようによっては勝機があるような気がしないでもありません。
特に日本の考え方だけではなくホンハイの考え方が加わっていますので、もしかしたらという期待は持てそうです。

この逆張り。非常に興味がありますので、どうなるのか注目していきたいと思います。
ぜひ「逆張り」で敗れ去っていった私たちのリベンジを果たしてもらいたい。
期待しています。

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