中小企業の退職金事情(実例紹介)

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私が現在勤めている会社はアラフィフで転職に踏み切った2社目の会社です。
その前は新卒での就職以来30年近く大手企業のグループ会社に勤めていました。
そこでは長きにわたり平穏に過ごしていたのですが一寸先は闇、突如会社が業績不振に陥ってしまい早期退職の募集が行われ、結局それに応募して退職ということになりました。

 

そうして今の会社に無事再就職し、勤めることもう4年になります。
この4年という月日ですが色々と思うところがあります。そのまま元の会社に残留していれば安泰だったのではないか、と。
当時は業績不振ということで、最悪は会社の存続も危ぶまれる状態だと考えて早期退職に応じたのですが、これらのリストラ効果で結局その会社がなくなるということは無かったようです。

 

そうすると、早期退職時にいただいた退職金の割り増し分の価値は相対的に下がってきます。(残留した方が、その後の給与で充分補える)
しかも、定年まで勤務できれば早期退職でいただいた金額以上の退職金が得られるはずです。

 

そのように考えると、今の段階では残留派の方が収入面では圧倒的優位という事になります。守り勝ちということでしょうか。(私の知る限り、早期退職同期の多くは転職後収入減になっていますので)

 

そんな、劣勢に回ってしまった私たち早期退職派ですが、そうは言っても転職できればその会社で退職金ももらえるだろうと考えがちです。

 

しかし、これが意外と難しいようで、中小企業によっては退職金制度がないと言ったところも少なくないようです。

 

では、私の場合はどうなのでしょうか。
幸いにも退職金制度は設けられていました。
会社の就業規定を見てみると「退職金規定」という項目が設けられていました。ここを見ると中小企業の退職金というものが何となくわかってきます。

 

その退職金の制度ですが、確認してみると会社単独の退職金制度ではなく共済制度を利用していました。
その名も「中小企業退職金共済」略して中退共です。

 

この制度は事業主が中退共と退職金共済契約を結んで、掛け金を毎月積み立て納付を行う事により、従業員が退職したときは退職した従業員に中退共から退職金が直接支払われるという仕組みです。

 

この中退共のホームページを見てみると、制度に加入している企業は367,386社(平成30年2月時点)で、加入従業員数は342万人いるそうです。
そしてその運用資産額は約4.8兆円。結構な規模です。

 

この中退共に私が勤めている会社も共済契約を結んでいる訳ですが、そうなると気になるのが私はいくらくらい退職金がもらえるのか?です。
これも中退共のホームページを見るとある程度シュミレーションが可能です。

 

まず、会社の就業規定を調べてみると、会社で基本給の額別に共済の掛け金が設定されており、それがいくらに設定されているのか確認できます。
私の場合、現時点では月額16,000円になるようです。

 

そしてその掛け金を何年支払うのかが退職金の額に影響してきます。
これは勤続年数で考えると良いのですが、私の場合60歳の定年まで働くとすると11年ほどになります。

 

掛け金と勤続年数がわかれば、中退共のホームページに試算表で退職金額が直ぐに判りました。

 

私の定年時退職金:約220万円

 

基本給がもう少し上がれば掛け金も増額になりますので、この金額で決定ではありません。
ただし、多少のベースアップでは退職金額が大きく変わることはなさそうです。

 

こうして、はっきりした金額として見てしまうと退職金というには少し物足りない金額でした。もらえるだけありがたいですが。

 

私の場合中途採用なので金額が低いのはやむを得ない部分もあるのですが、では勤続年数が長いとどの程度もらえるのでしょうか?これも中退共のホームページに載っている退職金試算の表から確認してみました。

 

勤続年数全てで、掛け金16,000円/月をかけているという前提で確認してみます。
そうすると...
 勤続30年で退職金674万円
 勤続40年で退職金946万円

 

この金額の算定は法令で決まっているそうなので、大きく変わることは無いと思います。
しかし、40年勤めても1000万円に届かないとは。。。やはり中小企業はいろんな面で厳しいです。

 

これを見るまでもなかったのですが、中小企業に勤める場合は退職後の資産について退職金以外にも自力で対策をとっておかないと相当厳しいことが分かります。
私の場合は既にもらった退職金に加えてiDeCoでの資産もありますので、これを退職時に一括で引き出せば多少は上乗せが出来そうですが。退職金控除も有効に使えそうですし。

 

しかしながら前職と現職では勤続年数が違うとはいえ、待遇の差は歴然です。
リストラで割増退職金に惹かれて安易に退職してしまうと、60歳時点での生涯の収入は結局低かったという事にもなりかねません。(どこかの官僚とは違って天下り先を転々として退職金もらいまくりとはいきませんし。)

 

ですので、ブラックだとか会社に根本的な問題が無い限りはせっかく手にした大手の正社員。この立場を安易に手放さない方が良いのかなあと考えてしまいました。

 

ちなみに中退共を利用している私が現時点で退職した場合の退職金はどのくらい見込めるのかというと...
約77万円。かなりしょっぱいです。

 

あとは自力で頑張るしかありません。
幸い貯金一辺倒という丸腰ではなく、武器としてインデックス投資とiDeCo、あと株式投資とソーシャルレンディングなども持つことが出来ました。
これらを駆使して何とか安心できるレベルに持っていきたいと思っています。

 

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