
「骨髄移植」とか「ドナー」という単語は割と知られていると思います。
また、それを提供するための骨髄バンクという団体の存在も。
しかし、実際に骨髄を提供したという人にも出会ったことはありませんでした。
そんな、漠然とした印象しかない骨髄移植について少しですが知ることが出来ました。
実は長男が登録していた骨髄バンク
「骨髄バンク」という団体があることは以前から知っていました。
ですが、自分がそこに登録するなんてことは考えたこともありませんでした。
確かに白血病などの患者さんを救うことが出来るという事は知っていますが、なんとなくリスクが高いようなイメージで怖さがあったからです。
まわりでも、「子供が登録しようとしたが辞めさせた。」という話は聞くものの「登録したよ」という話は聞いたことがありません。
。。。我が息子以外は。。。
実は我が家の長男ですが、大学時代に登録していました。
大学時代は一人暮らしをしていた長男ですが、骨髄バンクの登録住所は実家から変えていなかったようでときどき骨髄バンクから郵便が届いていました。
それを見て「ああ、登録してるんだな。あの子らしいな。」と思っていました。
その時も、もしドナーに選ばれたら手術とか結構おおごとになりそうで大丈夫かな?
と少し心配していたことを覚えています。
その後ドナーになることもなく、就職した長男。
ある日、長男から連絡がありました。
「ドナー候補に選ばれたんやけど。。。」
遠い世界の話だと思っていたのですが一気に身近になってきました。
とはいえまだ「候補」です。
聞くと、何名か候補が選ばれていて実際に病院で精密検査を行い、最終的にひとりに絞り込むようです。
長男からの連絡は「もし選ばれたらどうしよう?」という相談でした。
結構前向きに考えている長男。
とりあえず、最終的に選ばれてから判断したら?と答えました。まあ判断の先送りです。
そして2週間ほどしたところで再度連絡。
最終的にドナーに選ばれたそうです。
説明を受けドナーに同意する
ここから一気に話が進みますがとにかく初耳で驚くことばかりでした。
ドナーに選ばれたらまずは、受けるかどうかの説明を受けることになります。
これには親族も同席する必要があるそうです。
説明は医師、骨髄バンクのコーディネーターさんが行います。さらに公平性を保つため骨髄バンクの別の職員さんが立ち合い者として勤めます。
というわけで相手方3名と本人、私の5名で説明会が行われました。
時間は約2時間。結構みっちりです。
説明用の冊子を元にどのような手順で行われるのか?提供方法は?リスクは?など説明を受けます。何点か質問も行いその後、提供するかどうかの意思決定を行います。
この説明を受けた結果、本人は提供すると決断しました。
本人が決めたことなので私もそれに同意します。
最後に同意書に本人がサインして骨髄の提供が決まりました。
初めて知ることばかりの骨髄移植
こうして、我が家初めての骨髄提供が決まりました。
そして実際に進めていくことになるのですが私も身近な人で受けるのは初めてのことでしたので知らないことばかりでした。
1)交通費など全額負担してもらえる
ドナー本人の病院まで移動する交通費はもちろん、説明に伺う肉親(今回は父である私)の交通費まで全て負担してもらえます。
特に私は往復で数万円かかる遠方でしたが交通経路を説明するだけで領収書もいらない様子でした。(私は一応領収書をお渡ししましたが)
必要であれば(病院までのバスがあまりないなど)タクシーなど使っても良いそうです。
2)骨髄を採取する方法は2種類
骨髄の採取方法は背中から針を刺し、骨から直接骨髄を採取するというイメージでした。
もちろんその方法もあるのですが、別の方法もあります。
成分献血のように両腕の血管に針をさし、血液中の骨髄を抽出し残りは体に返す方法です。ただし、通常は血液に骨髄はないので3日ほど前から薬を投与して骨髄を血液に出すという対応が必要になります。
また、どちらを選ぶかはドナーの希望のほか、患者さんから病状によって希望されるそうです。今回は患者側の希望で血管から採取する方法になりました。
3)入院までは健康第一
ドナーになると、とにかく病気にかかることは御法度になります。
患者さんは準備として免疫を抑える薬が投与されるためドナーが体調不良で延期となるとかなり大事になります。
薬の投与も控える必要があります。長男の場合はアレルギーの薬を辞めなくてはならず、当日まで全身のかゆみに苦しめられたそうです。
とにかく患者さんの命にかかわると長男も我慢我慢の2週間でした。
4)ドナー補助金あり
骨髄を提供するとほとんどの自治体から補助金が出ます。
長男の居住する自治体では入院1泊あたり2万円だそうです。
5日間の入院でしたので10万円いただけるそうです。
そしていよいよ提供開始
なんとか全身のかゆみを耐え抜き、骨髄提供のため入院する日になりました。
入院は5日間を予定しています。
ただし、骨髄の採取が1回で必要量取れない場合は再度翌日に採取するということで予備日が1日あり最大6日間とまあまあの長丁場です。
健康体なのにこの期間病院に缶詰というのは結構しんどい(要は暇)かと思いました。
入院のイメージは1日中ベッドの上で過ごすという感じです。
今回の場合は毎日骨髄を増やす薬を注射するとはいえ他にすることはありません。
しかし、ドナー側への最大の配慮はありました。
それは入院する病室です。
いわゆる特別室に入ることができたようです。
私は入院中に送られてきた写真しか見ていませんが、広大な病室に大きなベッド、ソファーがおいてありました。
浴室もついており洗面は独立で設置されています。
テレビはベッド横とソファーにそれぞれ1台ありました。
もちろんテレビや冷蔵庫は使い放題です。
そして部屋は景色が一望できる高層階!
こんな部屋テレビドラマで不祥事を起こした政治家が仮病で入院した時の病室でしか見たことがありません。
ちなみに病院のホームページで調べたところ差額ベッド代は1泊約3万円。
今回は当然無料です。食費も無料で結構おいしかったそうです。
まさにVIP対応でした。
ただ、WIFIはなかったそうです。残念でした。
こうして今後まず経験できないであろうVIP待遇での入院を過ごし、無事1回で骨髄の採取も終わりました。本人は場違い感があって落ち着かなかったようですが。それと副反応としては骨髄を増やす薬の副作用で腰などの骨の痛みは結構あったそうです。
採取は最大6時間程度かかるということで、尿意を覚えた時用に尿瓶なども用意されていたそうですが、3時間程度で終了しお世話になることはなかったそう。
翌日には無事退院となりました。
最後に患者さんとの交流も
プライバシーの関係で移植を受ける患者さんの情報は一切公開されないというイメージでしたが、これも違いました。
患者さん本人からお礼の手紙が届いたそうです。
もちろん、ドナーの名前や住所などわかりませんので骨髄バンク経由で届きます。
この手紙は大体患者さんの半数程度は送ってきてくれるらしいです。
当然名前などは不明ですが、バンクから年齢や性別などざっくりとした情報は移植後に教えてもらえるらしく、今回は50代男性とのことでした。
50代といえばまだまだ働き盛り、お子さんもいるかもしれません。
その患者さんに希望を届けることができた長男。
わが子ながらあっぱれです。
そんな骨髄バンクへの登録ですが、登録できるのは54歳まで。
すでに還暦を迎えた私は登録できません。
また、骨髄の登録は2回までとなっているそうで長男も残るはあと一回です。
周りでもお子さんがドナー登録を検討しているといった経験は割とあるようです。
ただ、皆さんなんとなく怖いということで反対している模様。。。
親として気持ちはわかります。
でも逆に自分の身近な人が骨髄の提供を待っているとしたら。。。
難しいところですが、この経験が参考になればと思います。

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